探仏記Ⅲ ~気まぐれ仏像探訪~

気が向いたら出かけてみようか・・・

運慶

『運慶』展@東京国立博物館

(記載日:2017/10/1)

運慶展が始まった。Twitterのタイムラインを見てると、入場待ちの列ができるくらい盛況のようだったので、昼のど真ん中に行くのは厳しいと判断。たまたま土曜は東京方面に出かけたので夜間を狙って行ってみた。

東京国立博物館

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18時前にすっかり暗くなった東博に到着。夜間に来るのは二度目くらいか。早速、平成館へと向かう。


平成館
興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」

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さすがに18時前後では列はなくスムーズに入場、中に入ると入口付近や一部の展示には人だかりがあるものの、真正面でじっくり向き合える時間は取れるくらいの余裕はあった。第1会場は円成寺・大日如来からスタート。正直なところ、運慶仏はほとんど拝観しているので、入る前はそれほど期待感もなかったのだが、実際にはやっぱり来てよかった、となった(まぁ、当然だろうけど)。


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まず1周して会場全体を把握、上記のレイアウト作成のために配置をメモしながら更に1周。そして、図録を購入して一旦退場して荷物をロッカーにしまい、総合文化展などをザッと見てから戻ってきてもう2周、という具合に見て回った。

運慶仏はほぼ拝観しているが、今回の展示はかなり至近距離で細部までじっくりと拝観する事ができる、かなり良い環境。以下、簡単な感想。

大日如来(円成寺):ライティングのおかげもあり本来の顔付が良くわかる。
四天王(興福寺、康慶作):仮講堂で遠目に見たのと異なり、間近で迫力満点。特に多門天の顔付がよい
八大童子(金剛峯寺):ガラス越しながらより近くで見れて満足。恵光童子の繊細な表情が素晴らしい
四天王(興福寺南円堂):南円堂で拝観した時より間近で迫力満点、各尊の表情、こんなだったんだと肉眼でわかるし、ブーツ現代のスニーカーのようなかっこいいデザイン。
無着・世親(興福寺):動的な仏像が多い中、ここだけ静謐で違った緊張感が漂う
聖観音(瀧山寺):初見。天衣が破損していて今にも外れそうで痛々しいが、想像より量感があるドッシリした像
多聞天(東福寺):画像で見たことはあるが、あまり気にしていなかった。ただ間近ではかなり運慶様式であり逸仏
観音・勢至菩薩(清水寺):期待していたのだが、量感のある仏像群の中、非常に線が細いという印象しか残らず
毘沙門天(雪蹊寺、湛慶作):腕が欠失しているのが惜しまれるが、運慶の毘沙門天よりも落ち着きが感じられる
十二神将(浄瑠璃寺伝来):やっと全員揃った!最後の亥神の破たんのない造形美に感動。運慶仏では、との見方もあったが、調査の結果、運慶没後の年代であると想定されるようだ。たとえ運慶でなくてもこの群像の素晴らしさには変わりがない


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.....という事で運慶仏は完全制覇......と思ったら、まだ瀧山寺の梵天像だけ未見だった。こちらは年明けに開催される金沢文庫の「運慶展」に出展されるようなので、そこまでは運慶学園は留年。(下記画像は金沢文庫のチラシより)

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本館14室
特集 運慶の後継者たち―康円と善派を中心に

運慶展の合間に一旦こちらも拝観。数年前まで毎年恒例であった運慶特集、真如苑の大日如来が所蔵者へ戻ってからは運慶周辺特集のような形で細々続いている。正直なところ、毎回同じようなラインナップで見所もないのだが、逆に毎年見れることはありがたい事。

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本館11室・1室・3室
総合文化展

続いて総合展もサラッと。11室の仏像群は前回と同じラインナップ(レイアウトは前回拝観時のもの)

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この後、運慶展に戻って21時の閉館間際までいた。その時間になってもそれなりに人がいたので、いったい昼間はどんな状態なんだ、と考えたら恐ろしくなる。後期には浄楽寺の阿弥陀三尊や、重源像、康慶作の瑞林寺・地蔵菩薩が加わるらしいのでもう一度来館する予定。

運慶・大日如来はどんな顔 (2)

快慶展で三尺阿弥陀を拝観した際に、面部の金泥が剥落している像に関しては、快慶仏「らしさ」を感じられずにいた。元画像と睨めっこしても、想像力が乏しく頭の中でイメージできなかったため、画像処理を施して往時の様子を想像してみることに。

まずはこちら。運慶の大日如来と同じように模様のような剥落、これが像の個性のひとつとなっており、元の顔のイメージがしにくい。画像処理ツールで顔をベタ塗りしてみたが、表情や陰影などが失われてしまうため、金色が残っている部分の色を参考を使って剥落部分に重ねていった。また、眼部が暗く表情が捉えづらかったので白眼の部分をベタ塗りしてみた。剥落直前の状態、のような雰囲気にはなった。

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これで見る限りは快慶らしさは何となく感じる事ができる。初期像のように眼が少々吊り上がってキリッとしているように感じる。

もう1軀、全体が剥落している像についても同様にトライしてみたのだが、あまりうまく仕上がらなかったので、こちらは顔全体をベタ塗りしてみたところ、まぁまぁ雰囲気がでてきた。イラストみたいになってしまったけど。左眼の眼玉の位置が画像が暗くてよくわからず、かなり想像で描いている。

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こちらも快慶らしさは感じる事ができる。先ほどとは異なり眼が少々優しげになっている。快慶仏後期の特色。

ポイントは「眼」。この眼力が快慶仏の個性のひとつになってると思うので、その部分をハッキリさせると顔全体のイメージがつきやすくなったような気がする。画像処理の巧い人がやったらもっとリアルに往時の姿を再現できると思うが、あまりテクがない者がやるとこのあたりが限界。


さて、お題目の「運慶の大日如来」だが、こちらの記事は以前にアップしているので今回は第2弾。

http://tetsuumadouji-2.blog.jp/archives/2053576.html

前回は金箔部分を地肌色に寄せてみたのだが、今回は逆に地肌部分を金箔に寄せてみた。金色の残った部分の色を剥落部分にのせていく、
上の一つ目の画像と同じ方式で画像処理。やはり剥落直前のような雰囲気になった。しかし、前回の画像の出来はひどい....画像処理の腕は多少は向上してるかも....剥落バージョンと、文化庁所蔵の摸刻像も追加して対比。

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思っていたものとだいぶイメージが違った! 像容からして少々か細い印象があったが、頬も張っていてかなり量感があり、いかにも運慶仏という感じがする。今秋の運慶展には大日如来もお出ましになるので、この量感ある往時の姿を踏まえて、じっくりと対峙してみたい。


※あくまでも個人で画像を編集したものであり、何ら考証したわけでもなく、個人の想像・創作がふんだんに入っているので注意。(画像転用・転載はご容赦を)

春の奈良旅(3) 東大寺~なら仏像館~京都・東寺

(記載日:2017/4/29)

朝6:30より読売テレビ「祈りの仏師 快慶」を視聴。醍醐寺三宝院や光台院なんかも紹介された。ローカル番組なので、たまたま奈良にいたから見れたけど....全国区でやってくれればいいのに。映ったところは、浄土寺→醍醐寺→円成寺→東大寺(+金剛峯寺 広目天)→吉水快聞さん→興福寺北円堂→光台院→東大寺(再)という感じで、所々慶派の紹介として運慶仏もでてきた。
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2日目も快慶展に行くつもりでいたが、昨日の「疲れ」が残っているので取りあえずは博物館以外の場所へ。

東大寺
山号
宗派華厳宗大本山

【南大門】

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快慶展第2会場(?)でもある南大門。もう今更言う事なし。


【鐘楼・念仏堂・行基堂・俊乗堂】
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二月堂に向かう途中.....

【三昧堂・法華堂・二月堂】

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四月→三月→二月と移動していく。三昧堂も法華堂も誰も来ていなくて単独拝観。じっくり各尊と対峙できた。

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少し冷たい空気が心地よい。二月堂の階段を下りると小さな小窓から毘沙門天が見える。なかなか凛々しいお姿である事に気付く。大仏殿の裏参道をトボトボ歩いて、奈良博へと向かう。


奈良国立博物館

【なら仏像館】
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結局、快慶展をもう一度見るだけの気力・体力が残っておらず断念することに。仏像館だけサラッと見て回ることにした。

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行快・作の降三世明王は、快慶・作の醍醐寺・不動明王と顔つきが似てる、はずだがあまり思い出せない。大好きな湛慶・作の三十三間堂・千手観音も今日はあまりピンと来ない。3室には三尺阿弥陀があり、通常であればかなり食い入るように見るところ、今日はサラッと。

中盤あたりで仏手(盗難にあった新薬師寺・香薬師の手)があり、これのみが見つかったという事実に悲しくなる。香薬師像は法隆寺の夢違観音と作風が共通しているという。確かに目のあたりは似通っている。興味深かったのは新薬師寺像の3軀。7室の十一面観音、9室の地蔵菩薩、その左隣の准胝観音も新薬師寺伝来という事で、作風というか色合いや光背の雰囲気が似通っており、室生寺の金堂仏群のエッセンスも感じる。

少々放心状態、心ここにあらずな感じだったので、今日のところは引き揚げる事に。



教王護国寺(東寺)
山号八幡山
宗派真言宗総本山
新幹線の切符を時刻を12時間間違えて早朝便を取ってしまい、既に列車が出発後になっていた事が判明。自由席であれば振替可能という事で、とりあえず3年ぶりの東寺に立ち寄ることにした。ちょうど特別期間で、宝物館や観智院が拝観できる。
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【宝物館】東寺と後七日御修法
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ここに入るのは初めて。

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かなり古い建物で、展示品も多くはないが、2階に入ってびっくり。旧食堂の本尊・千手観音は5mを超える巨仏で圧倒される。右端の国宝・兜跋毘沙門天も精細な彫りで素晴らしい。



【観智院】
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こちらは以前にも拝観した事があるが、だいぶ前の事で覚えていない。

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五大虚空蔵菩薩は個性的、中尊の法界虚空蔵の顔立ちが知り合いと似ていて親近感が持てる。愛染明王は記憶よりはるかに大きくて少し驚いた。


【五重塔】
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次の週であれば五重塔内部も拝観できたようだ。今回はタイミングが合わず残念。

【金堂】
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薬師三尊(台座の十二神将)のみという贅沢で広い空間、心が落ち着く。


【講堂】
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金堂と対照的に仏密度が高く、心拍数も上がりがちな講堂。最後に平安の仏群を拝観して、今回の旅はこれにて終了。


5月に奈良再訪する時はもっと体力をつけて、心をリラックスさせて来ようと思う。

春の奈良旅(1) 法隆寺~興福寺

(記載日:2017/4/29)

1泊2日の奈良旅。今回の目的はズバリ「快慶」展なので、それ以外はあまり決めずに来てみた。まずは京都駅からJR奈良駅を経由して法隆寺駅へと向かう。

法隆寺
山号
宗派聖徳宗総本山
法隆寺駅からバスで移動し、中宮寺前で下車、徒歩5分ほどで東院伽藍に到着。法隆寺は3年ぶり、ちょうど救世観音の開帳期間だったので、まずはここから。

【夢殿】
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夢殿には数回来ているはずだが、いつも季節外れだったせいか、今まで本尊にお目にかかったことがない。八角のお堂の南側木枠から中を拝観(写真は北西側....なんだかな)。堂内は当然ながら薄暗く、金ピカのイメージがあった救世観音は煤・埃などで覆われていて少々くすんで見えた。お顔も「アルカイックスマイル」と思いきやキリッと厳しめに感じられた。木枠越しで少々拝観しづらかったのも残念、ただ、ようやくご縁があってお会いできたのは良かった。

【東大門】
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東大門近くの土塀沿いにオレンジの葉をつけてる木があって、まるで秋のような風景。西の方から修学旅行生と思しき団体が夢殿に向かって歩いて行く....先に夢殿に行っておいて良かった。あの団体と一緒だったらゆっくり拝観もできなかっただろう。

【中門】
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西院伽藍に来ると、中門が改修中だった。金剛力士が拝観できなかったのは残念。

【西院伽藍・金堂/五重塔】

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修学旅行生だらけ。五重塔の初層塑像群や、金堂の釈迦三尊や両脇の毘沙門天・吉祥天を見ていても、続々修学旅行生が入っては出ていき、また別のグループが来て......と落ち着いて見ていられない。断念して次へ。

【西院伽藍・大講堂】
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大講堂も同じく修学旅行生だらけ。殆どの人が関心無さげ....無理もない。自分も中高生の頃は、五重塔だけは好きでよく見ていたが、仏像やお堂などはそれほど関心がなく、ほぼスルーしてたんで。

【大宝蔵院】
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こちらも同じく修学旅行生が数組。玉虫厨子に群がっている。展示内容は前回来た際と同様だったかもしれない。こちらもかなり駆け足で回って出てきてしまい、あまり印象に残っていない。

【大宝蔵殿】法隆寺秘宝展
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駅に戻りかけたところで、秘宝展の看板を発見。こちらは大宝蔵殿(先ほどは大宝蔵院)で、かつてはこちらで寺内宝物を公開していたようだ。

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先ほどの喧騒がウソのように静か。館内には2~3人しかおらず、ほぼ独占拝観状態。亀に乗る極小の善女竜王、半跏の弥勒菩薩、円空作の大日如来、五重小塔と並ぶ長身の観音菩薩、最後の薬師釈迦阿弥陀の三尊など目を引く仏像も多かった....が、正直なところあまり印象に残っていない。画像を見て振り返ると、あぁ、こんな方がいらっしゃったなという感じ。


【西円堂】
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最後に薬師如来を拝観。グルッとお堂の周囲を巡って、所々戸の障子が貼っていない部分から十二神将の一部や千手観音が確認できる。



法隆寺を辞して再度JR奈良駅へ戻ってきた。さすが奈良、快慶展のパンフが山積みで置いてある。東京にあまりなかったのは何故だったのか、もっと早めに関西以外にプロモーションしても良かったと思うけど。
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興福寺
山号
宗派法相宗大本山
駅から徒歩でこちらまで移動。

【仮講堂】興福寺国宝特別公開2017 阿修羅 -天平乾漆群像展-
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以前にも「お堂でみる阿修羅像」展でこちらのお堂には入ったことがある。その時はお堂の名前は「仮金堂」だったと記憶している。現在中金堂が建設中である事から今後は講堂として整備される予定で仮講堂とされたようだ。

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「お堂でみる・・・」では中尊は釈迦如来で阿修羅がド真ん中という配置だったと思うが、今回は往年の西金堂を再現するコンセプトであるため阿弥陀如来が中尊、こちらのお像は初めてのような気がする、というかあまり印象に残っていない。以前と同じく最前列は列に並んで牛歩で進んでいくスタイル。面倒だったので後ろのほうから単眼鏡で拝観した。(最後は結局並んで見たけど)

NHKの番組「阿修羅 1300年の新事実」で、光明皇后が幼い息子を亡くした後、子どもが少しずつ成長していくような姿をイメージして
八部衆を作ったのではないか....という話があったので実際どうか確認してみたのだが、あまりそういう感じはしなかった。参考までに自分が若い顔と感じた順に並べてみるとこんな風になる。
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八部衆が二列交互で前面に配置され、十大弟子はその後ろ側、金剛力士は更にその後ろ側で後ろに行くほどあまり像が重なって少々見えづらい感じがした。四隅の康慶・作の四天王はかなり迫力があり、これまでも阿修羅展などで見た事はあるものの、改めて秀作である事がわかる。書籍などの画像で見るとそれほどインパクトはないのだが、実仏は均整の取れたポーズで表情もいいし鎧の造りも精細。

【北円堂】

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秋の「運慶」展では弥勒如来がラインナップされておらず非常に残念、という事もあり今回拝観していく事に。
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改めて晩年期の運慶仏に相対すると、以前のような量感や張りは抑え目となるが、静謐ながら意志の強さを感じる表現になっている事がわかる。弥勒如来は運慶のプロデュース力もさることながら、担当した源慶の力量も感じられる素晴らしい像だった。


【東金堂】
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興福寺最後は東金堂へ。こちらでは現在仏頭が仮安置されている。噂通り、仏頭は堂内右手の奥にひっそりと佇んでいた。これだけ沢山の仏群がいて賑やかな堂内なのに、仏頭があるところだけ別空間に感じられた。本来自分がいるべきところなはずなのに、集団に溶け込めず少々寂しい思いをしている、と変な想像をしてしまった。

【五重塔】

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五重塔を見上げて、この後はいよいよ奈良国立博物館へ。

『よみがえる仏の美』展@静嘉堂文庫美術館

久々に気合を入れて早朝に自宅を出る。二子玉川駅に9時過ぎに到着、バス停に向かうも目の前でバスが出発してしまう・・・・出鼻をくじかれるが次が20分後くらいなので徒歩で現地へ向かうことに。天気がよく歩いてても爽やか、世田谷の閑静な住宅街をぬけ、川沿いの小洒落た歩道を進み、歩くこと15分以上、そろそろ入口に到着する筈・・・・と地図をみると・・・・だいぶ前に通り過ぎてたことが発覚・・・・しかし裏門が近いことに気付きそちらへ。

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激坂を上り裏門に到着・・・・ただまったく開く気配なし・・・・元の道を戻ること5分、先ほど通り過ぎた個所を曲がりようやく入口に到着。静嘉堂文庫美術館へ初見参!

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看板が出ててテンション上がる。しかしここから更に上り坂を歩くこと3~4分、ようやく美術館が見えてきた。

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10時前だが既に待ち行列・・・・午後の講演の整理券のために並ぶのだ!既に20人ほど並んでるが、先着120名までなので何とかなりそう。自分もそれなりの年齢だが、並んでおられたのはご先輩方たちで皆さん資料片手に超マニアックなオーラ全開だった。自分もその類のはずなのだが全然次元が違う感じがして、まだまだだなぁと感じた次第。そして10:00に開館して整理券をゲット!気合入れた甲斐あって20番以内だった。チラッとだけ十二神将を見て、すぐに退出。


前置きが長くなったが、静嘉堂文庫美術館で13:30から山本勉氏の講演があるため整理券をもらいに朝早くから気合入れて来館したのだった。
講演まで3時間以上もあるので一旦駅へ引き返す。帰りはうまいことバスに乗れた。電車で数駅先、久々にこちらを訪寺。


 九品仏浄真寺  (くほんぶつじょうしんじ、浄土宗)  2016/4/30
前回は紅葉の時期だったが今回は新緑がまぶしい。
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先ほどかなり歩いたので、こちらで暫くゆっくりとさせて頂いた。阿弥陀如来の修復は1躯ずつ、2034年まで続くらしい・・・・今回はお目当ての場所ではないので詳細は割愛。



 静嘉堂文庫美術館 
 2016/4/30
リニューアルオープン展 第3弾 よみがえる仏の美~修理完成披露によせて~
再び美術館に戻り、あらためて入館。また、駅から歩いたのでだいぶ体力消耗。
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十二神将は1躯ずつガラスケースに入っており、どの方向からも拝観可能。横から見ると髪のなびく様、後ろから見ると獣皮を纏ってるところなどがよくわかる。截金模様が所々に残り、表情も近くでハッキリとわかるので拝観環境としてはかなり良い。以前から気になっていた亥神が修復中のため展示されてないのが残念だが、それはまた次への楽しみに取っておくこととする。
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壁にあるパネルには修復した部分や苦労点などのエピソードが書かれていて興味深い。各像の感想は以下の通り。
■寅神: 若干ポーズがギコちない。甲冑の意匠は4躯の中では一番凝っている。
■卯神: 黒目が大きいせいか、一番目力が強く、顔付きが運慶仏に通じてる気がした。
■午神: 肩肘ついて遠くを見つめる姿はバランスが抜群。炎髪が後ろへなびく様も見事。
■酉神: 胸の金色が一際目立つ。ポーズも大振りながら4躯中一番地味にも感じた。

十二神将以外には若冲も真似たという文殊・普賢菩薩像など仏画を中心に、国宝・ 曜変天目など展示されてる。さて、メインイベントである講演が13:30からの始まるので地階の講堂に移動、整理券の番号順で入室したのでスクリーンの見やすい席をゲットできた。

「十二神将像のひみつ―浄瑠璃寺伝来の一具と運慶」
講師:山本勉氏(清泉女子大学教授) 仏像の講演を拝聴するのは数年前に仏像ガールのプレゼンを見て以来で、本格的なものとしては初めて。構成としては、①十二神将の説明 ②浄瑠璃寺からどう流失したか ③運慶の銘文がある可能性 ④十二神将は運慶仏か、というような流れだった。以下、メモに記載した範囲で・・・・

■冒頭・・・・館長からは「運慶?」などと言わず運慶だと断言してくれ、と言われてる(笑)

■薬師寺・薬師如来台座にある12の異形は十二神将とも考えられる
■兵庫・東山寺の十二神将は十二支と結びついた最古の例で、学術的に重要
■奈良・東大寺の十二神将は頭部だけでなく帯喰(おびくい:胴部につけるもの)にもあり、この時代は仕様が固まっていない
■十二支の獣頭人身の図像はあるが、彫刻としては例がなくこの形式は好まれなかった
■定智本の十二神将像に倣う例が多くあり、伝浄瑠璃像一具もこれに当てはまる。ただし伝浄瑠璃寺像のうち4躯は図像と異なるが、それらは魚の口を袖口に腕を通したり、獣の鼻に輪を通すなどグロテスクなものであり、意図的に避けたと思われる
■神野祐太氏の十二神将の流出経緯や運慶銘発見記事の論文は優れており、今回もそちらより引用
■今回修復した4躯と東博の3躯からは銘文が発見されなかった。残りの5躯の調査結果が待たれる。
■古仏である薬師如来を秘仏として隠す際に、新たな脇侍菩薩や十二神将を配置する事で薬師如来がそこにいることを伝えたのではないか
■興福寺・南円堂の四天王は、元来北円堂にあり弥勒如来と一具だったとする説が有力
■南円堂の四天王と十二神将を比較すると、四天王は重厚、十二神将は軽快のように違いがある
■運慶は如来・菩薩は彫眼にしているが、眷属についてはケースに合わせて玉眼を使用するなど効果を考えている
■最後に・・・・十二神将は運慶作と捉えてよいレベル

※配布された資料にあった内容についてはメモ取らなかったので、これ以外にも色々あったが・・・・


以下のように玉眼を比較をする画像もあった(これは自作したものだが・・・・)

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卯神だけ黒目部分が大きく、他の3躯は小さ目に感じるがこれは何故だろうか?質問してみたかったのだが、できるはずもなく。館長の長い話の後、お二方が質問されていたが内容は失念。15:00過ぎに終了したので、実質90分くらい。内容的には満足度の高い講演だった。機会があれば是非また受講したい。


この後、徒歩で駅まで戻り、東博に向かおうとしたが、16:30ギリギリに到着予定だったため断念し帰路についた。

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