探仏記Ⅲ ~気まぐれ仏像探訪~

気が向いたら出かけてみようか・・・

慶派

春の奈良旅(1) 法隆寺~興福寺

(記載日:2017/4/29)

1泊2日の奈良旅。今回の目的はズバリ「快慶」展なので、それ以外はあまり決めずに来てみた。まずは京都駅からJR奈良駅を経由して法隆寺駅へと向かう。

法隆寺
山号
宗派聖徳宗総本山
法隆寺駅からバスで移動し、中宮寺前で下車、徒歩5分ほどで東院伽藍に到着。法隆寺は3年ぶり、ちょうど救世観音の開帳期間だったので、まずはここから。

【夢殿】
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夢殿には数回来ているはずだが、いつも季節外れだったせいか、今まで本尊にお目にかかったことがない。八角のお堂の南側木枠から中を拝観(写真は北西側....なんだかな)。堂内は当然ながら薄暗く、金ピカのイメージがあった救世観音は煤・埃などで覆われていて少々くすんで見えた。お顔も「アルカイックスマイル」と思いきやキリッと厳しめに感じられた。木枠越しで少々拝観しづらかったのも残念、ただ、ようやくご縁があってお会いできたのは良かった。

【東大門】
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東大門近くの土塀沿いにオレンジの葉をつけてる木があって、まるで秋のような風景。西の方から修学旅行生と思しき団体が夢殿に向かって歩いて行く....先に夢殿に行っておいて良かった。あの団体と一緒だったらゆっくり拝観もできなかっただろう。

【中門】
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西院伽藍に来ると、中門が改修中だった。金剛力士が拝観できなかったのは残念。

【西院伽藍・金堂/五重塔】

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修学旅行生だらけ。五重塔の初層塑像群や、金堂の釈迦三尊や両脇の毘沙門天・吉祥天を見ていても、続々修学旅行生が入っては出ていき、また別のグループが来て......と落ち着いて見ていられない。断念して次へ。

【西院伽藍・大講堂】
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大講堂も同じく修学旅行生だらけ。殆どの人が関心無さげ....無理もない。自分も中高生の頃は、五重塔だけは好きでよく見ていたが、仏像やお堂などはそれほど関心がなく、ほぼスルーしてたんで。

【大宝蔵院】
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こちらも同じく修学旅行生が数組。玉虫厨子に群がっている。展示内容は前回来た際と同様だったかもしれない。こちらもかなり駆け足で回って出てきてしまい、あまり印象に残っていない。

【大宝蔵殿】法隆寺秘宝展
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駅に戻りかけたところで、秘宝展の看板を発見。こちらは大宝蔵殿(先ほどは大宝蔵院)で、かつてはこちらで寺内宝物を公開していたようだ。

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先ほどの喧騒がウソのように静か。館内には2~3人しかおらず、ほぼ独占拝観状態。亀に乗る極小の善女竜王、半跏の弥勒菩薩、円空作の大日如来、五重小塔と並ぶ長身の観音菩薩、最後の薬師釈迦阿弥陀の三尊など目を引く仏像も多かった....が、正直なところあまり印象に残っていない。画像を見て振り返ると、あぁ、こんな方がいらっしゃったなという感じ。


【西円堂】
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最後に薬師如来を拝観。グルッとお堂の周囲を巡って、所々戸の障子が貼っていない部分から十二神将の一部や千手観音が確認できる。



法隆寺を辞して再度JR奈良駅へ戻ってきた。さすが奈良、快慶展のパンフが山積みで置いてある。東京にあまりなかったのは何故だったのか、もっと早めに関西以外にプロモーションしても良かったと思うけど。
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興福寺
山号
宗派法相宗大本山
駅から徒歩でこちらまで移動。

【仮講堂】興福寺国宝特別公開2017 阿修羅 -天平乾漆群像展-
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以前にも「お堂でみる阿修羅像」展でこちらのお堂には入ったことがある。その時はお堂の名前は「仮金堂」だったと記憶している。現在中金堂が建設中である事から今後は講堂として整備される予定で仮講堂とされたようだ。

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「お堂でみる・・・」では中尊は釈迦如来で阿修羅がド真ん中という配置だったと思うが、今回は往年の西金堂を再現するコンセプトであるため阿弥陀如来が中尊、こちらのお像は初めてのような気がする、というかあまり印象に残っていない。以前と同じく最前列は列に並んで牛歩で進んでいくスタイル。面倒だったので後ろのほうから単眼鏡で拝観した。(最後は結局並んで見たけど)

NHKの番組「阿修羅 1300年の新事実」で、光明皇后が幼い息子を亡くした後、子どもが少しずつ成長していくような姿をイメージして
八部衆を作ったのではないか....という話があったので実際どうか確認してみたのだが、あまりそういう感じはしなかった。参考までに自分が若い顔と感じた順に並べてみるとこんな風になる。
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八部衆が二列交互で前面に配置され、十大弟子はその後ろ側、金剛力士は更にその後ろ側で後ろに行くほどあまり像が重なって少々見えづらい感じがした。四隅の康慶・作の四天王はかなり迫力があり、これまでも阿修羅展などで見た事はあるものの、改めて秀作である事がわかる。書籍などの画像で見るとそれほどインパクトはないのだが、実仏は均整の取れたポーズで表情もいいし鎧の造りも精細。

【北円堂】

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秋の「運慶」展では弥勒如来がラインナップされておらず非常に残念、という事もあり今回拝観していく事に。
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改めて晩年期の運慶仏に相対すると、以前のような量感や張りは抑え目となるが、静謐ながら意志の強さを感じる表現になっている事がわかる。弥勒如来は運慶のプロデュース力もさることながら、担当した源慶の力量も感じられる素晴らしい像だった。


【東金堂】
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興福寺最後は東金堂へ。こちらでは現在仏頭が仮安置されている。噂通り、仏頭は堂内右手の奥にひっそりと佇んでいた。これだけ沢山の仏群がいて賑やかな堂内なのに、仏頭があるところだけ別空間に感じられた。本来自分がいるべきところなはずなのに、集団に溶け込めず少々寂しい思いをしている、と変な想像をしてしまった。

【五重塔】

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五重塔を見上げて、この後はいよいよ奈良国立博物館へ。

総合文化展@東京国立博物館〔妙法院・千手観音〕

 東京国立博物館  2016/6/11

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年間パスポートで入場するのは2回目。アフガニスタン展は混雑と書いてありパス。

 11室   3室   1室 

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一部異なるが入口近辺は鎌倉仏、中は平安仏、メインは鎌倉仏といった感じ。
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二つの菩薩立像を比較。左は肥後定慶の菩薩像に近い作風との解説だった。
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パンフを3種類もらってきた。櫟野寺展ではかなりの数の仏像が出展されるようだ。
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総合文化展@東京国立博物館〔曹源寺・十二神将〕

久々の更新。

先週末、都内に所用があり、ついでに上野にも寄ってきた。まずは最近オープンしたKANNON HOUSEを目指して不忍池側道を歩いていく....が、通り過ぎて弁天堂あたりまで行ってしまった。駅から行くとド派手なAPA HOTELの手前のビルにひっそりとある。

 びわ湖長浜 KANNON HOUSE  2016/4/10

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中に入るともの凄く静か。スタッフの方が受付と室内に1名ずつ。モニタには長浜の寺・仏像を紹介する映像が流れてて、先客がそれを見ていたのでソロリソロリと入っていき、お目当ての宝厳寺・聖観音を拝観。60-70cmほどの小柄な像だった。何せ1躯展示してあるのみで、他には映像放映と、関連書籍が2つのテープルに沢山置いてあるのだが、とにかく映像を見てる人の邪魔にならないように、と思うとあまりウロウロもできない。静かな空間で、本来なら落ち着けるのだろうが、この時はそうはならず10分もしないうちに退出してきた。3か月ごとに展示替えがあるとの事なので、またその時にでも寄ってみようとは思う。こんな感じだったので正直あまり仏像の印象がない。

続いて東博へ。半年ぶりくらいかも。日曜だったこともありチケット売場に20人ほど並んでいてビックリ。この日は特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」はそれほど盛況ではないらしく、
総合文化展のチケット購入に少々時間を要した。

 東京国立博物館 
 2016/4/10

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 11室   3室   1室 

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11室は優美な毘沙門天からスタート。画像は無いが重文指定された小柄な④如意輪観音(西大寺)も展示されてた。大柄な⑥吉祥天、国宝の⑦広目天と続き、運慶作とも言われる浄瑠璃寺伝来の⑧十二神将が3躯(なぜか残りの2躯は無し)。反対側には素朴な⑨二天像(うち右方像)、⑪毘沙門天など。メインステージの⑫十二神将フルラインナップ、フォーメーションもバッチリ決まってる。上階に移動して1室には⑬日光菩薩、3室には毘沙門天とそれなりにバラエティに富んだ内容だった。

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二組の十二神将を比較してみる。まずは曹源寺の12躯。
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中央の巳神は願成就院・毘沙門天(運慶作)に影響を受けたような作風、群像全体が運慶系統の仏師の作と想像できる。ただ、個々にみていくと若干ギコちない姿形の像もあり複数の力量の異なる仏師が携わった形跡がうかがえる。前列中央の子神はここまで前かがみになって覗いている姿が珍しい。前列両端の寅神・午神は興福寺・東金堂の十二神将にも通じる作風かと。

もう一方の東博蔵・伝浄瑠璃寺の3躯。
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こちらの群像も運慶系統の仏師と推定される。
遠くを臨む戌神は凛々しく、中央の申神はどこか飄々としていている。巳神は前のめりで他の十二神将ではあまりみられない姿形、つま先をピンと立てていて異色。右手に何かしら持物があったと思うが、雰囲気としては弓か三鈷杵だったのではと想像。十二神将は仕様が一定ではないので、同じ名前同士で比較してもあまり意味がない。同じ雰囲気をもつのはこれくらいかな....
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どちらも個性的で◎。上記の展示は4月17日まで。そして、4月23日からはいよいよ静嘉堂文庫美術館で
「よみがえる仏の美~修理完成披露によせて~」展が始まり、東博とは別の浄瑠璃寺伝来の十二神将が4躯展示される。東博と静嘉堂で十二神将の展示期間が重なってないのは博物館の戦略なのか.....いずれにせよ楽しみ。この十二神将は運慶作との説もあり、静嘉堂の展示で調査結果などが示されるかもしれない。
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もうひとつ、四天王が複数展示されてたので比較。毘沙門天3躯、広目天1躯、二天のうち右方天1躯(右方天のみ撮影不可) 。
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道成寺像のみ平安前期で、残りは平安後期~鎌倉期。左2躯は宝塔・戟を持つ手の位置や右足を少し前に踏み出すあたりは似通っている。それぞれ離れて展示されてたので比較しながらみたわけではないが、後で画像で違いを比較してみるのも面白い。

 

『水─神秘のかたち』展@サントリー美術館

11時頃に六本木に到着、半年ぶりにここへやってきた。


 サントリー美術館 
 2016/2/7
水─神秘のかたち
本日が最終日。
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館内はさほど混雑してない。水がテーマということで、弁才天・宇賀神・龍神・神像・・・・など。

本来であればゆっくり見て回るところだが、この後所用がありサラッと鑑賞。

入口を右手に折れるといきなりお目当ての長快・作 十一面観音(パラミタミュージアム所蔵)。

前回、藤田美術館の至宝展の際に快慶・作の地蔵菩薩が展示されていたのと同じ場所に弟子・長快仏像。

<画像はInternetMuseumの紹介ページより拝借>
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http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=view&id=753

画像ではポッチャリ丸顔のように見えていたのだが、実仏は快慶の影響が濃厚なやや角張った顔で、目付きも同じく快慶に近いと感じた。全体のバランスもよく、快慶らが長谷寺・十一面観音を修復した際の部材で作られたとある。天衣が台座の両脇に垂れるところなど仕事も細かい(当初のものかはわからず)。画像を見る限りお目当てがこれだけで見に行くべきか迷ったのだが、これは絶対に拝観すべき仏像で、最終日ギリギリだったが来れてよかった。

2周目をする頃には先ほどの倍の人になっていたので早々に退散。他の展示品は仏像含めて正直あまりよく見れなかったので、ちょっともったいなかった。ミュージアムショップでは十一面観音に関するグッズはポストカードもなく、何もゲットできず。もっと早く来るべきだったなぁ・・・・



冬の京都・奈良旅(番外編): 拝観した仏像

備忘録として.....今回はこんな感じの拝観だった。仏像拝観できた寺院のうち半分の6ヶ寺は初訪問。

kyonara


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