探仏記Ⅲ ~気まぐれ仏像探訪~

気が向いたら出かけてみようか・・・

博物館・美術館

金沢文庫の『運慶』展


金沢文庫

特別展「運慶―鎌倉幕府と霊験伝説―」

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久々の金沢文庫。

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昨年、東博で開催された運慶展は、結局1回しか行けず、若干消化不良気味。

結局、レイアウト図を作ってしまった。これはもう性(さが)だな....


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今回のお目当ては、ズバリこの梵天

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運慶仏の中で唯一未見だった。昨年の運慶展で来ていた同じ瀧山寺の聖観音、そしてこの梵天。非常に良く出来ているとは思ったが、正直なところ彩色が好きになれない。像全体が軽く見えてくる。しかし、当初像も出来栄えは異なるだろうが彩色されていただろうし、金や色が剥落している仏像を見慣れているので、もしかしたら当初像とはいえ彩色されてるとあまりピンと来なかったりするのかもしれない。

他にも快慶様の教恩寺・阿弥陀三尊、宗慶の保寧寺・阿弥陀三尊、実慶の大日如来勢至菩薩と、慶派ずくしのラインナップは良かった。東博では見逃した瑞林寺・地蔵菩薩も久々に拝観できたし。ただ、けっこう混雑していて、それだけでもうあまり長居したくない感じになってしまい、3周りしたくらいで出てきてしまった。

帰り道はお決まりの称名寺境内を通って.....

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光明院。ここにあの大威徳明王があったのか....

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という事で、大した感想もないのだが、出来れば空いてる時にもう一度来たいものだ。これから空く事はないだろうけど。

『快慶と安阿弥様』と『仁和寺と御室派のみほとけ』

久々の仏像イベントを2つ。まずは清泉女子大学へ....女子大に行くなんてなかなかないからねぇ。ちょっと場違いな感じがしてしまう。

清泉ラファエラ・アカデミア
一日講座「快慶と安阿弥様」(講師:山本 勉氏)

まず、中に入って男子トイレがあったのでひと安心(笑.)。会場は自分を含めてミドルエイジ~シニア世代が大半を占めていたが、最前列には小学生の姿も。

山本先生が登壇され、まずは確定した快慶仏の紹介。全49軀(資料は47軀で2軀カウント間違え)と説明されていたが、実際には金剛院の深沙大将・執金剛神の2軀と、浄土寺・阿弥陀三尊が1軀でカウントされたいたので更に4軀加えて53軀になるかと思う。

これには昨年の奈良博・快慶展で「快慶作」とされていた正寿院・不動明王はカウントされていなかった。また、東大寺・金剛力士は阿形だけでなく吽形もカウント、大法恩寺・十大弟子は銘のある2軀のみカウントという条件であった。快慶の安阿弥様の仏像紹介まででだいたい前半が終了。

後半はその安阿弥様についての説明で、快慶展で割と確認できた内容のものが多かったのだが、特に注目したのは以下の2点。

●鎌倉時代は安阿弥様の作風が主流ではなく、江戸時代以降に浄土系宗派拡大と共に本尊・阿弥陀仏立像の大量生産で安阿弥様が採用され主流になった。鎌倉時代以降は三尺阿弥陀といえば、ずっと安阿弥様が採用されてきたと思い込んでいたので、少々面喰った。 ●2016年に三重県・安楽寺で快慶作の阿弥陀如来が新たに発見された。もちろん画像も映し出されたのだが、正直なところ、あまり快慶仏という感じはしなかった。ただ、この事実が1~2年前の事なのに自分の耳に入って来なかったこと、昨年の奈良博でも触れられていなかったことは衝撃的だった。まだまだ自分の快慶アンテナの感度は低いようだ。

有償のセミナーは初めてだったのだが、なかなか内容的には充実してて、また機会があれば来てみたいと思った次第。続けて東博へ。



東京国立博物館

仁和寺展 (2)

夕闇迫る東博に到着。激寒という事もあり、外にいる人はまばら。まっしぐらに平成館へ向かう。


平成館
特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」

まず、いつもなら会場のレイアウト図を作って掲載するのだが、正直ここ数年作成しても見返したことがなく、まったく参考にもなっていないので取りあえず今後は作るのをやめようと思う。そのうちまた記録しておきたい気持ちになったら作るかもしれないけど。

仁和寺展 (3)

第1会場は主に絵画・書跡・工芸が中心。

入るとまず宇多法皇像があるのだが、宝剣を持っていたのが印象的。そしてその絵で法皇が斜めにかけている袈裟の実物(?)が展示されているのも面白い。

その先にはこれからやってくる秘仏・小仏・国宝仏の薬師如来の展示スペースが準備されている。12cm.....その周囲を人垣ができる様子が容易に想像できる。これはきちんと見れるかわからないゾ。

ツイッターでも話題になっていた三十帖冊子、全帖公開が明日までという事もあってか、ここだけは列ができていた。しかも見る速度が遅くてなかなか列が進まず、途中から面倒になって、誰もいない列の先頭の先の展示から見ることにした。偶然だが、そこから空海の書になっていた。しかし、あんな小さな冊子に凄く細かい字....最初は文字を追っていたのだが、もう目が痛くなって途中で辞めてしまった。書はやっぱり良くわからん、たとえそれが空海のものであっても。

その先に「無双の大秘法、孔雀経法」と銘打ったコーナーがあったが、要は孔雀明王の真言を唱えれば、孔雀が蛇を食べて毒を除くように災難を滅してくれるらしい。現在、仕事でトラブル続きのため、是非この秘法を修得したいものだと思った(笑)。孔雀明王像は三面六臂で横の二面は横顔だったが怖い顔っぽかった。

続いて第2会場からは仏像が登場。

少し進むと撮影可能な観音堂再現スペースへ。本尊・千手観音を中心に脇侍が不動・降三世明王、そして二十八部衆風神・雷神と33軀が所狭しと並ぶ姿は圧巻。実際のお堂同等に構成されており壁画を配した須弥壇の裏側にも行ける。ただ、自分も含めて皆撮影してて、肝心な仏像をきちんと見れたかと言うと、実はあまり覚えていない。撮影に夢中になり過ぎた。

仁和寺展 (1)

続けて金剛寺・五智如来。周囲の四仏の目力がもの凄い。

その先には龍寶寺の清凉寺式・釈迦如来、何と言っても顔と手が大きい。

明通寺の深沙大将・降三世明王は静かな佇まいながら迫力あり、近くで見ると割と粗い彫りである事がわかる。

屋島寺・千手観音坐像は42手型ながら、全ての腕・持物が綺麗に残っており見応えある。

そして、葛井寺・千手観音の準備スペースを過ぎると、中山寺・馬頭観音。やっと出会えた、感慨深い。何せ若狭まではなかなか行けないので。多臂像ながらとてもバランスが良く、三面のうち中央面は頭上に馬、脇の二面は化仏をそれぞれ載せている。

最後は神呪寺・如意輪観音
片膝を立てずに組んでいるせいか、写真で見るよりもっと気だるい姿に映る。重心も向かって右側に大きく寄っており数ある如意輪観音の中でもかなり個性派。そして妙に艶めかしい。お寺で拝観したらまた違った印象になりそう。

会場を2周ほどしたのだが、時間は小1時間ほど。前週は仕事が忙しく夜遅い日が多かったので疲労がたまっており、正直なところ
だいぶ集中力を欠いていた。何を見ても何度見てもスッと入ってこないのだ。そんな日もあるさ....と今日のところは諦めて退館。17時ころから見だしたのだが、一部展示以外は人がまばらで絶好の拝観環境だっただけに残念。また来るべし。

11室をスルーしながら帰路へ着く。

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『運慶』展@東京国立博物館

(記載日:2017/10/1)

運慶展が始まった。Twitterのタイムラインを見てると、入場待ちの列ができるくらい盛況のようだったので、昼のど真ん中に行くのは厳しいと判断。たまたま土曜は東京方面に出かけたので夜間を狙って行ってみた。

東京国立博物館

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18時前にすっかり暗くなった東博に到着。夜間に来るのは二度目くらいか。早速、平成館へと向かう。


平成館
興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」

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さすがに18時前後では列はなくスムーズに入場、中に入ると入口付近や一部の展示には人だかりがあるものの、真正面でじっくり向き合える時間は取れるくらいの余裕はあった。第1会場は円成寺・大日如来からスタート。正直なところ、運慶仏はほとんど拝観しているので、入る前はそれほど期待感もなかったのだが、実際にはやっぱり来てよかった、となった(まぁ、当然だろうけど)。


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まず1周して会場全体を把握、上記のレイアウト作成のために配置をメモしながら更に1周。そして、図録を購入して一旦退場して荷物をロッカーにしまい、総合文化展などをザッと見てから戻ってきてもう2周、という具合に見て回った。

運慶仏はほぼ拝観しているが、今回の展示はかなり至近距離で細部までじっくりと拝観する事ができる、かなり良い環境。以下、簡単な感想。

大日如来(円成寺):ライティングのおかげもあり本来の顔付が良くわかる。
四天王(興福寺、康慶作):仮講堂で遠目に見たのと異なり、間近で迫力満点。特に多門天の顔付がよい
八大童子(金剛峯寺):ガラス越しながらより近くで見れて満足。恵光童子の繊細な表情が素晴らしい
四天王(興福寺南円堂):南円堂で拝観した時より間近で迫力満点、各尊の表情、こんなだったんだと肉眼でわかるし、ブーツ現代のスニーカーのようなかっこいいデザイン。
無着・世親(興福寺):動的な仏像が多い中、ここだけ静謐で違った緊張感が漂う
聖観音(瀧山寺):初見。天衣が破損していて今にも外れそうで痛々しいが、想像より量感があるドッシリした像
多聞天(東福寺):画像で見たことはあるが、あまり気にしていなかった。ただ間近ではかなり運慶様式であり逸仏
観音・勢至菩薩(清水寺):期待していたのだが、量感のある仏像群の中、非常に線が細いという印象しか残らず
毘沙門天(雪蹊寺、湛慶作):腕が欠失しているのが惜しまれるが、運慶の毘沙門天よりも落ち着きが感じられる
十二神将(浄瑠璃寺伝来):やっと全員揃った!最後の亥神の破たんのない造形美に感動。運慶仏では、との見方もあったが、調査の結果、運慶没後の年代であると想定されるようだ。たとえ運慶でなくてもこの群像の素晴らしさには変わりがない


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.....という事で運慶仏は完全制覇......と思ったら、まだ瀧山寺の梵天像だけ未見だった。こちらは年明けに開催される金沢文庫の「運慶展」に出展されるようなので、そこまでは運慶学園は留年。(下記画像は金沢文庫のチラシより)

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本館14室
特集 運慶の後継者たち―康円と善派を中心に

運慶展の合間に一旦こちらも拝観。数年前まで毎年恒例であった運慶特集、真如苑の大日如来が所蔵者へ戻ってからは運慶周辺特集のような形で細々続いている。正直なところ、毎回同じようなラインナップで見所もないのだが、逆に毎年見れることはありがたい事。

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本館11室・1室・3室
総合文化展

続いて総合展もサラッと。11室の仏像群は前回と同じラインナップ(レイアウトは前回拝観時のもの)

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この後、運慶展に戻って21時の閉館間際までいた。その時間になってもそれなりに人がいたので、いったい昼間はどんな状態なんだ、と考えたら恐ろしくなる。後期には浄楽寺の阿弥陀三尊や、重源像、康慶作の瑞林寺・地蔵菩薩が加わるらしいのでもう一度来館する予定。

『タイ』展@東京国立博物館

(記載日:2017/8/17)

夕刻から東京で友人と会うことになったため、その前に東博へ。さっそくタイ展開催中の平成館に向かうも、途中の資料館が開館中でフラッと立ち寄ってしまった。仏塔関連の書籍をいろいろ確認して30分くらいいたので、残り滞在できる時間が......

東京国立博物館

日タイ修好130周年記念特別展「タイ~仏の国の輝き~」

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以前からポスターは見ていたのだが、前知識はほぼ無し。仏像展示も多そうなので、何か感じ取れるものもあるだろうと中へ入ってみた。お盆休みで混んでるかと思いきや、一部のショーケースで人だかりがあるくらいでだいぶ余裕があった。

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日本の大乗仏教は釈迦の世界観を拡大していったため無数のキャラクターが生み出されバラエティに富んでいるが、タイ仏教は上座仏教で釈迦の教えがすべて。キャラクターも釈迦以外では基本的には悟りを得る前の菩薩がいるのみ。一部ヒンドゥ教の他宗キャラも交じっているが、とにかく釈迦なのだ。それらは自分が知っている日本の釈迦の姿ではなく、先端の螺髪部分を髻のように高く結い上げ、細身の体躯。お顔もアルカイックスマイル以上に微笑んでいるように見える像もあり、根本が同じ教えとはいえ、国や伝来ルートで受け止め方が大きく異なるという事がよくわかる。

....と偉そうに書いてはみたのだが、正直なところピンと来なかった。印象に残ったのは?、と自問するも今ひとつ思い出せない。日本の仏像と違って、白毫がなかったり、印相が違っていたり、衣が薄かったりというのはあるのだが、それ以上に感じる事ができなかった。時間の関係で駆け足で見て回ったのもあるのだが、最後まで鑑賞のポイントをつかめなかったのだと思う。出てから「みうらじゅん×いとうせいこう」の音声ガイドを借りて回ればよかったと後悔。出口のところで音声ガイドを返却してた人が、係の人に「ガイド面白かったですよ」と言ってたので余計にそう思う。次に行く機会があれば、ガイドを聞きながら回りたいと思う。


総合文化展

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時間がなくなってきたので、本館11室のみ駆け足で。ここに来るとメンバーはいつも異なるけど、気持ちが落ち着いてホッとする。

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ひと通り撮影可の仏像の写真を撮って回った。

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願生寺・阿弥陀如来を様々な角度から

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阿弥陀仏3躯のお顔を比較。

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楽しそうなお二方。

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前半に展示されてた三尺阿弥陀は寄贈仏で東博所蔵となってるが、今回初めて見た気がする(過去に見てたりして....よくあるけど)。80cm級のサイズで、小さい方の三尺阿弥陀仕様。かなり状態がよく、快慶仏でいえば後期の衣文スタイルに似通っている。

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顔付きは快慶仏に近しい気もするが、よく見るとやっぱり違う。

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駆け足拝観だったので、大した感想もなく.....今回は記録までということで。

『奈良 西大寺』展~東大寺~『源信』展

(記載日:2017/8/5)

快慶展から早二ヶ月、虚脱状態というか燃え尽き症候群というか、仏像拝観へのモチベーションが低下したまま。しばらくは仏像から距離を置いてきたが、東大寺の俊乗堂特別拝観が7月31日まで、一方で西大寺展大阪会場が7月29日よりスタートと俄然行ってみたくなった。一度に2つ見るには29~30日で行くしかない。という事で一泊二日の日程で出かけることに。

早朝の新幹線で京都に到着し、天王寺へ直行。あべのハルカスに初見参、エレベーターで16階へ。


あべのハルカス美術館
創建1250年記念 奈良 西大寺展 叡尊と一門の名宝


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東京会場に続き、二度目の西大寺展。三井記念美術館は少々地味な雰囲気だったが、こちらは入口から色鮮やかで華やか。なぜ大阪会場にも来ようかと思ったかと言えば、東京会場で見逃した浄瑠璃寺・吉祥天と、宝山寺の制咤迦童子が出展されるため。

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会場は三井記念美術館より広く開放的に感じた。この日は初日で開場したばかりの時間帯だったがまったく混んでおらず、むしろ快慶展の時ように人がまばらで若干拍子抜け。(下の画像はチケット)

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結論から言うと、出展仏が半分くらい違った事もあり、東京会場より見応えがあったと思う。

〈クリックで拡大〉
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興正菩薩:4軀の興正菩薩像があり、額の皺、頭部の凹み、眉の下がり具合もほぼ同じ。見比べも面白い。
文殊菩薩:3軀の文殊菩薩像が3方向に向いている展示方法がまず素晴らしい。般若寺・文殊は間近で見ると童子形ながら険しい表情、一方の大智寺・文殊は安阿弥作(=快慶・作)と伝わっており、確かに角ばった顔付きや眼の雰囲気が安部文殊院像に近しい雰囲気。法華寺像のみ獅子が来ておらず残念、こちらも騎獅子スタイルだったら更に迫力ある展示になったと思う。
釈迦如来:お堂で拝観した時より明るいこともあり、衣文線や模様がはっきりとわかる。流麗な衣文線は本当に波打ってるようで見事、実に芸術的。
吉祥天(浄瑠璃寺):まず驚くのが大きさ。堂内では厨子に入り遠め、しかも周囲が等身仏のためかなり小仏に見えるが実際は三尺阿弥陀くらいありそうでびっくり。そして色彩がかなりよく残っている事も驚き。写真でみるとポッチャリした印象だが、実にスラッとした美人さんだった。(MJが惚れるのも納得)
制咤迦童子(宝山寺):再会できたのがまず喜び。江戸期の作ながら鎌倉仏に負けず劣らずの完成度。達観した童子の眼、その姿勢と相まって何と哲学的か。作者が湛海/院達となっており、この院達なる仏師が恐らく湛海の意を汲んで造像していたものと思われる。仏師・院達、他の作も気になるところ。
大日如来(浄瑠璃寺):こちらもお会いしたかった像。秀麗な顔付き、とても理知的で腕利きの慶派仏師の作である事は一目瞭然。
不動明王二童子(浄瑠璃寺):浄瑠璃寺堂内で最も好きな三尊。特に太々しい制咤迦童子の生意気ぶりに脱帽。
一字金輪三尊:一字金輪仏頂尊という像は初めて(中尊寺像が有名?)。像容があまり思い出せないが不動・愛染の両明王を従えてどんなキャラクターなのかが気になった。
不動三尊(松林寺):江戸期の像で制咤迦童子は独特の頬杖ポーズが個性的。

全体的には浄瑠璃寺像群が際立ってよかったのと、宝山寺・制咤迦の達観した眼差しがとにかく印象的な展示会だった。東京会場の印象が本当に消えてしまうくらい、大阪会場は充実していたと思う。




続いて奈良に移動。

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奈良に何度も来てるくせに、「ぐるっとバス」の存在を初めて知った。JR・近鉄両駅周辺の主だった場所を周回する観光客向けのバスなのだが、このバスが凄いのは若草山のほうまで上ってくれる事。手向山八幡宮の近くにも停留所があり、坂を登らずに法華堂界隈に行けるという優れもの。



東大寺    
山号-
宗派華厳宗


【不動堂】


手向山八幡宮の方から東大寺境内に入り、まずは久々に不動堂へ。お断りして堂内に入るも、とにかく暑い。暗いので目を凝らして五大明王を見ようとするが、薄っすらとわかるレベル、それよりよりも暑くて体がもたない。すぐに出て来てしまった。

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【俊乗堂】

続いて、今回の目玉のひとつである俊乗堂へ。通常は年に2日ほどしか開かないため、なかなかチャンスがないが、今回は特別に7月一杯開いており、実に9年ぶりくらいに中へ入る事ができた。

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中央に重源上人、向かって左手に平安期の愛染明王、右手に快慶・作の阿弥陀如来。重源像の
本当にそこに老いた僧がいるかのよう、リアルさにはいつも驚かされる。秋の運慶展での再会が楽しみ。快慶の三尺阿弥陀は快慶展でお会いしたばかりだが、お堂にいるとオーラが全然違う。お香の煙や光の具合の加減のせいか立体的に見え、もの凄く存在感を感じた。やはりこの像はここでお会いすべきなのだと確信。(下の画像はチケット)

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【大湯屋】

この建物の前は何度か通っているが、入ったのは初めて。中央に大きな鉄製の湯船があったのだが、それ以外があまり思い出せない。まぁ、中がどんなになってるかわかったという事で.....


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【東大寺ミュージアム】


あまりの暑さに避暑がてらミュージアムに入館。快慶展に出展されてた西大門勅額の八像も元の場所に納まっていた。かつて法華堂に安置されていた地蔵菩薩は、堂内にいた時にあまり印象になかったが、近くで見ると精悍な雰囲気だった。弁才天は大半の部分が修復されて継ぎ足されているのがよくわかる。

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【南大門】

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続いて、徒歩でお隣の奈良博へ。外は暑いので涼しい博物館で助かる。



奈良国立博物館
1000年忌特別展. 源信 地獄・極楽への扉

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最後は奈良博で源信展。「源信」という名前は正直聞いたことがなかったが、恵心僧都は何となく....のレベル。法然や親鸞よりもずっと前に浄土信仰を広めた僧で死後の世界をイメージ化したらしい。その後継者がこれをベースに色々ビジュアル化したとの事。日本人は長い間、このイメージがのおかげで、生きてる間になるべく悪事を控え善行を施そうしてきた筈なので、そういった意味では画期的。

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展示は以下の通り。出陳品一覧の会場図を拝借して仏像レイアウトを上書き。

メイン展示である六道絵(ずっと六道図って覚えてた....)を順に見ていったが、印象に残ってるのは修羅道の部分で、上方に阿修羅と帝釈天が争っている姿が描かれており、これには興奮を覚えた。

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仏像はあまり多くはなかったが、前半のラストに鎮座する東大寺・閻魔王はこれまで拝観したどの閻魔王よりも迫力があり見ていて怖くなった。源信の創造した世界は確実に現代に引き継がれている.....

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即成院の二十五菩薩のうちの3軀は間近で見る機会が少ないので貴重な機会。後期には別の3軀がお出ましになるようだ。菩薩の呼称が平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩みたいに〇〇号となっており、展示仏から推測すると以下のような番号割り振りになっていると思われる。脇侍2軀は番号がついているか定かではでない.....(注意:あくまでも個人の推測)

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【なら仏像館】


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最後は少しだけ展示替えのあった仏像館をさらっと1周。快慶・作の浄土寺・阿弥陀如来が中央室の中尊として復帰、秋篠寺・梵天が降三世明王のいる室に移動していた。快慶・作の正寿院・不動明王は姿が見えず.....お寺のほうに戻ったのかな?


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この後、興福寺の境内を通りニ塔を見ながら宿泊地へ向かった。
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