探仏記Ⅲ ~気まぐれ仏像探訪~

気が向いたら出かけてみようか・・・

三十三間堂/千体千手観音

京都一日旅: 清水寺~法観寺~建仁寺~西福寺~妙法院~京博

いつものように急きょ日帰りで京都旅を決行。今回の目的はズバリ京博の泉涌寺展。他は何も決めずに出発。移動中に行き先を決めればいいやと思ったのが甘かった・・・・前日遅くまで飲み会だったこともあり、新幹線に乗った途端爆睡。少々体もだるく、若干気分悪い状態で京都駅に降り立つ。取りあえず本堂改修工事が迫っているという清水寺へ久々に行ってみることに・・・・結果的にグダグダな旅になってしまった。

清水寺
山号音羽山
宗派北法相宗
9年ぶりくらいだろうか、久々の参拝。9時台でもすでに人が多い。
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本堂内は本尊(前立)・千手観音と二十八部衆が金網越しに拝観できる・・・・が、暗い堂内で目を凝らしても単眼鏡で見ても輪郭くらいしかわからず、残念。西門・釈迦堂・阿弥陀堂・奥之院など改修工事中の建物が多く、個人的にはあまり見所がない感じがした。本堂も近々改修工事に入るらしい。
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法観寺 八坂の塔
山号霊応山
宗派臨済宗建仁寺派
続けて、清水寺から坂を下り「八坂の塔」で有名な法観寺へ。そもそも、重文の五重塔は遠目にしか見たことがなかったし、法観寺という寺名も何かで聞いたことがあるくらい。塔は近くでみるとなかなか立派。
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拝観料を払って境内に入ったが、五重塔と2、3の堂宇があるのみ。
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何と五重塔は中に入る事ができ、しかも二層目に上れる!これはなかなか貴重な体験。おまけに撮影OKとあって、色々撮らせて頂いた(悲しいことに大半がピンボケ)。
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二層に上る急階段、心柱も見れる。二層は天井が低く中からの景色はそれほどでもなかったが経験としてはよかったかと。壁画も当時のものかわからないがきれいに残っている。
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初層には心柱を中心に以下のように四方に如来が配されている。
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西方の弥陀如来はどう見ても大日如来なんだけど・・・・作風はどれもバラバラ、古仏のようでもあるし、提供者名が書いてあったので新しい時代のものかもしれない。いずれにせよ、塔の中で四仏が拝観できる環境は素晴らしい。
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境内には他に薬師堂・太子堂があるが、拝観できる堂宇としてはこれだけ。しかしながら、先ほどの清水寺よりは個人的には見所が多く感じた。


建仁寺
山号東山
宗派臨済宗建仁寺派大本山
次に行く所をなかなか決めれずにいたが、時間が勿体ないので徒歩圏内にあるところを探して一番近くの建仁寺に行ってみた。到着してから高台寺に行ってもよかったかなと思ったが、反対方向ということもあり今回は断念。建仁寺も堂内含めて撮影は自由。
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ところで、建仁寺って何で有名なんだっけ?というレベルで訪れたものだから見所もわからないまま入堂。俵屋宗達の風神雷神図屏風だ!と途中思い出した。本物はガラス越の拝観になり、うまく撮れなかったのでデジタル復元版を撮影。ほとんどの襖絵や絵画は復元されたものだった。
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法堂の双龍図は迫力があった。さすがに禅宗寺院は自分と向き合うために心を落ち着ける仕掛けが沢山施されているが、個人的には仏像を見てテンションを上げて心を満たしたいという煩悩が今のところ勝っていて、落ち着ける場所で落ち着かない感じ。
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西福寺 子育地蔵尊
山号桂光山
宗派浄土宗
建仁寺からまた徒歩圏内の六波羅蜜寺に向かう途中で「京の冬の旅」という看板を発見、知らないお寺だったがせっかくなので寄ってみる。同じく特別公開の対象になっていて仏像拝観できそうな壬生寺と聖護院が今日は拝観休止となっていて残念。
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入堂直後に団体45人が入ってきて一時狭い堂内すし詰めのような感じに・・・・参った。本尊は室町時代の仏師、春日・作の阿弥陀如来、少々つり目気味だが堂々たる体躯。脇には毘沙門天。どちらも煤で黒くなっている。人がいっぱいという事もあり、肝心の地獄絵図はさらっと見ただけで退堂。

この後、すぐ先の六波羅蜜寺に向かったが、少々疲労気味のためスルーして小休憩することに。

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妙法院 門跡
山号南叡山
宗派天台宗
休憩の後、こちらも「京の冬の旅」で特別公開の妙法院へ。三十三間堂はいつもお世話になっているが、本家にお邪魔するのはこれが初めて。
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寺内は撮影禁止なるので、外からのみ撮影。
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大書院で狩野派の襖絵について解説しており10人ほどが中を覗き込んでいる脇を抜けて、その先の護摩堂へ。護摩堂では待望の不動三尊(不動は重文)にお目にかかるも、黒いお姿のため単眼鏡で見てもあまりよくわからず少々残念。脇侍の制多迦童子が個性的で◎。他にも小仏が沢山あったがどれもあまりよく確認ができず・・・・その先の龍華蔵という収蔵庫のようなところにも最後に仏像が数躯あり。(あまり良く覚えてないけど)

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宸殿を通って元の玄関に到着。
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宸殿と本堂(普賢堂)を外から撮影。今まで知らなかったが普賢堂は別の入口から入って常時拝観できる。行ってみたところ確かにガラス越しに中の本尊を拝観する事ができた。ただし、遠目なのであまりよくはわからない。

ところで、妙法院には門の脇に休憩所があるのだが、そこに置いてある書籍がかなり充実している。仏像本が沢山!これなら休憩も楽しくなりそう。
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妙法院 蓮華王院
山号南叡山
宗派天台宗
妙法院の境外仏堂である三十三間堂。改修工事が終了していて、仮設の出入口が設置されていた部分は障子戸で締められていた。新設の参進閣はお堂裏手と繋がっていて、そちらから出入りする(ほぼ元の形に戻った)。
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恒例の最前列100躯確認しながらの拝観。昨年末にPCが壊れて、千体千手観音に関するファイル群がなくなってしまったので、手元にある資料は前回拝観の時に印刷しておいたもののみ。拝観するたびにマニアック過ぎるなとも思いつつ、どうしても確認したくなってしまう。
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京都国立博物館
ラストはお隣の京博。夜間拝観ありの日なのでゆっくり観て回れる。
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まずは1Fの仏像スペース。

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【日本の彫刻】

千手観音: 湛慶作。三十三間堂より間近で、しかも斜め後ろからも拝観可能で◎
地蔵菩薩: 印浄作。玉眼だと思うが、左目が涙目

十一面観音: 天衣の巻き方がかなり複雑で特徴的
不動明王: 行快作。快慶・不動と比較すると、髪型のせいか愛嬌とユーモラスあり

【神像と獅子・狛犬】
●毘沙門天
(誓願寺): 宝冠部分が花のような感じ
毘沙門天(妙傳寺): 首をすくめているような感じ
伝摩多羅神: 左側に体を傾けてて飄々とした感じ
狛犬・獅子(八坂神社): 4対の中で一番凛々しい感じ

【特別公開 修理完成記念 鳥取・三佛寺の蔵王権現立像

蔵王権現(脇本尊その2): 像容が定まっていない時代の作で足を上げないタイプ。

2015年の『
蔵王権現と修験の秘宝』展では7躯のうち本尊と脇本尊1躯を除く5躯の展示だったが、今回は未展示だった脇本尊の修理が終わって公開されたもの。これで脇本尊6躯は全躯拝観。


続いて隣の特集陳列スペース。今回の旅のハイライト!
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特集陳列 皇室の御寺 泉涌寺
三宝荒神: 肌の色が生々しく、像形にも破たんがない慶派の作
護法神: 十二神将っぽいが、こちらは皆上半身が裸。
楊貴妃観音: 想像より大きく、顔も大きく、そして眼も大きかった・・・・
月蓋長者: 欠失した善財童子と共に、かつては楊貴妃観音の脇侍を務めた 宝冠阿弥陀: 快慶作。快慶作品の中で上位に入る美仏

今回の京都旅は、三宝荒神・楊貴妃観音・宝冠阿弥陀の3躯の拝観に来たようなもの。

三宝荒神は子嶋寺の僧が感得した「子嶋荒神」仕様で、頭上に興福寺・文殊菩薩と同型の方形を戴く。肌色がきれいに残っており、蝋人形のようにも思える。5躯の護法神は小ぶりながら
こちらも慶派の作のようで写実的、由来・名称・キャラクターなどは不明との事。

そして寺外で初めて拝観する楊貴妃観音・・・・想像よりも大きくてまずビックリ、そして下から拝むように見上げたところ、眼が大きくギラギラしていてまたビックリ。顔も体に比べて大きく、光背がないこともあってお寺で見る優雅で繊細な雰囲気は微塵もない、表現が難しいが野性味ある感じにただ唖然。結論としてはお寺で遠目に見たほうがはるかに良いという事を実感。 

久々の快慶・作の宝冠阿弥陀もやはり寺外では初めて拝観。 間近で截金模様など確認できて良かったが、何か物足りなさを感じた。恐らく、お寺では光背も含めて全体的な美しさを醸し出していて、それが印象に残っているからだと思われる。ただ完成度の高い美仏であることには間違いない。

とにかく3躯を拝観できて良かった良かった。 

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時間を気にしないで拝観できるのはいいね。これにて撤収・・・・・本当に1日グダグダだった。次回来る時は計画的に!

仏旅(2日目): 京都後編 大報恩寺~三十三間堂~京博

午後の部の拝観開始。まずは前日に思い立って拝観予定に組み入れた大報恩寺。

大報恩寺 (千本釈迦堂) 
だいほうおんじ (せんぼんしゃかどう)宗派: 真言宗智山派拝観日:2016/8/14
所在地: 京都府京都市上京区山号: 瑞応山拝観料:600円

毎年お盆の時期には精霊をお迎えする六道まいりが行われている。この期間、本堂の秘仏本尊が開扉されるとの情報を見てやってきた。

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本尊は行快・作の釈迦如来、実仏はまだお会いしたことが無い。本堂に入ると正面厨子の扉が開いている。はやる気持ちを抑えながら、お祈りして顔を上げると・・・・・堂内暗く、蝋燭の灯が衣部分を照らすのみでお顔はよく見えない。そんな筈はない、と眼鏡をかけたり単眼鏡で見たり色々試みるもやっぱりよく見えない。取りあえず諦めてその場でじっと釈迦如来と対峙・・・・しばらくすると暗さに目が慣れてきたこともあり、釈迦如来の顔が薄っすら浮かびあがり、あの鋭い目付きだけは何となく感じることができた。石山寺・多宝塔の快慶仏の時と同様、見えづらかったが良しとする。

続いて霊宝殿。
六観音のうち如意輪観音はローマで開催中の日本仏像展に出張中でご不在。

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肥後別当定慶・作の六観音のうち千手観音は、湛慶・作の千体千手観音に雰囲気が何となく似てる。快慶・作の十大弟子のうち阿那律像は落ち着いた佇まいを見せ、表情が同じ快慶・作の地蔵菩薩に近しいように感じたが、帰宅後に画像比較してみるとそうでもなかった。

帰りがけ、寺内の掲示板。

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酷暑の中、バス待ちは厳しい・・・・ということでやむなくタクシーで三十三間堂へ向かう。タクシーの運転手に行先を告げると「どうやって行ったらいいですかね」と聞き返され困ったが、何とか無事に到着。

妙法院 蓮華王院 三十三間堂 
みょうほういん れんげおういん さんじゅうさんげんどう宗派: 天台宗拝観日:2016/8/14
所在地: 京都府京都市東山区山号: 南叡山拝観料:600円

この所、京都に来たら必ず訪問するのだが、堂入口付近の売店・靴箱付近が改修中で、靴をビニール袋に入れて持って歩かなければならない。これが意外とストレス。

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本来はハンズフリーでメモを取りながら千体千手観音の最前列の100躯(正確には96躯)を何周か見て回るのが恒例だが、今回は1周で出てきてしまった。自作の千体千手観音一覧860号尊 ⇔ 870号尊 が逆である事が確認できた。修正しておかないと・・・・

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京都国立博物館 名品ギャラリー/特集陳列 丹後の仏教美術
きょうとこくりつはくぶつかん入館日:2016/8/14
所在地: 京都府京都市東山区入館料:(年間パスポート)

いよいよクライマックスは京博・・・・・となるはずだったが既に6ヶ寺を巡ってる事もあり体力が限界、腰痛もしてきた。

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館内に入った途端、土砂降りの雨。三十三間堂をぐるぐる周っていたらきっとこの雨に打たれていた筈・・・・早々に移動してきて良かった。

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一番楽しみにしていたのは、湛慶・作の千手観音30号尊!ついに拝観が叶った。奈良博と同様に間近で見れるのも嬉しい。単眼鏡でお顔を見せて頂くと、かなりの傷があり痛々しい・・・・9躯の湛慶仏の中で一番厳しい表情。これで三十三間堂・千体千手観音の最前列100躯は全て拝観でき、感無量・・・・とは言え、全部覚えてるわけではないけど。

阿弥陀如来(浄土宗): 行快・作とみられる三尺阿弥陀。目付きが吊り目気味なところは正に行快仏
善導大師: 当初は口から阿弥陀仏が出てきていた痕跡がある、というところが面白い
不動明王: こちらも行快・作。いつか奈良博にある降三世明王と並んでるところを見たい

特別陳列「丹後の仏教美術」
千手観音
(縁城寺): 頭上が十一面でなく宝冠を被るところが珍しい。これが一木造りというのも凄い
阿弥陀如来(縁城寺): 小さい仏像だが慶派っぽい
如来金剛心院: 何ともゴツく厳しい顔付きで超・個性的
地蔵菩薩金剛心院): 康円・作の地蔵菩薩(ケルン東洋美術館蔵)と類似性ありで興味深い(※)

宮津市文化財HPに詳細記述あり

金剛心院は忍性が創建に関わっているようで、忍性の活動範囲の広さがうかがえる。


閉館時刻少し前に退館し、満員バスに揺られながら京都駅に戻る・・・・ここで今回の仏旅は終了。この日は7ヶ所を巡ったが、正直なところ詰め込み過ぎ。正法寺と大報恩寺を追加してしまったので、他にしわ寄せがいってしまい、楽しみだった願徳寺と京博が今ひとつ消化不良になったのが残念。次回はもう少し大人の旅の楽しみ方を勉強しないと。

今回の仏旅で印象に残ったのは・・・・
★石山寺の秘仏本尊拝観
奈良博/京博で湛慶・千手観音を間近で拝観
東大寺・大仏殿の夜間拝観

ちょっと残念だったのは・・・・
▲快慶・大日、行快・釈迦は暗くてよくわからず
▲願徳寺 滞在5分でじっくり見れず(自分が悪い)
▲圓福院/大念寺 拝観できず(お盆時期は仕方ない)


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さらば京都。



〔注〕 記載情報(宗派・山号・拝観料・文化財指定・仏像配置・名称など)は個人調べなので間違っていてもあしからず  

仏旅(1日目): 奈良編 奈良博~東大寺

滋賀編からの続き。滋賀の二寺で予想以上に時間がかかり、奈良到着は16時過ぎ。興福寺境内を通りつつ急いで奈良博へ・・・・

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奈良国立博物館 生誕800年記念特別展 忍性-救済に捧げた生涯-
ならこくりつはくぶつかん入館日:2016/8/13
所在地: 奈良県奈良市登大路町入館料:(年間パスポート)

まずは「忍性展」から・・・・

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忍性は真言律宗の僧・・・・・という事以外ほとんど知識がない状態でこの展覧会に臨む。

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以下、受け売りだが・・・・忍性は後年の呼称で生前は良寛 (江戸期の良寛和尚とは違う人物)
。ハンセン病患者の救済に尽力し、戒律を重んじ、文殊信仰に篤い。行基が文殊菩薩の化身とも呼ばれてた事から尊崇・・・・という方なので展示は真言律宗ゆかりの釈迦如来や文殊菩薩などが多く展示されてた。鎌倉・極楽寺の開祖であり、先日行った称名寺も忍性が創建に関わったらしい・・・・・とわかり始めると興味が湧いてくる。

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仏像展示はそれほど多くないが、鎌倉ではめったに拝観できない鎌倉の仏像を堪能できる。特に極楽寺からは有名仏が総動員してて見応え十分。清凉寺式釈迦如来は極楽寺像を含めて3躯展示されており、同じ仕様ながらそれぞれ個性的。文殊菩薩騎獅像も複数展示されており、特に自治会所蔵像と最後の唐招提寺・文殊五尊は初見でなかなか良い感じだった。
個人的に拝観したかった極楽寺の文殊菩薩は端正、十大弟子実的。ただ、般若寺の文殊菩薩は展示期間が終了しており、間近で見れなかったのが残念。

実はこの展覧会で一番印象に残ったのは仏像群ではなく東征伝絵巻。鑑真和上が請われて日本に向かう苦難の行状を記した壮大な絵巻物。前後期で展示替えがあるので今回展示されなかった部分も見てみたくなった。


奈良国立博物館 なら仏像館 名品展

18時近い時刻だが「なら燈花会」開催期間は19時まで開館しているのでまだ大丈夫。

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仏像館はリニューアル後、初めての来館。以前との違い・・・・順路が時計回りから反時計回りに変更、それに伴い中央の仏像群も逆向きに。展示ケースも進路に合わせて向きが変わっている。全体的に落ち着いた印象、以前より見やすくなった気はする。展示されてる仏像に関しては、さほど大きな変更を感じなかった。

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お目当ては湛慶・作の三十三間堂・千手観音20号尊。以前にもサラッと拝観しているが、今回は単眼鏡持参で気合十分、しばし釘づけ状態。三十三間堂や東博と異なり、目の前でガラスケース無しで360度見れるのがイイ。東博で見慣れている40号尊と比べて顔が少しほっそりしてるような・・・・40号尊は四角くて大きめの顔なので。背面の衣の形もよくわかる。

慶派仏としては仏師銘が判明しているもので 快慶×2、行快×1、栄快×1 と充実。その他、室生寺で発見された二天像、修復された高尾地蔵堂・毘沙門天などの新入り仏や、浄瑠璃寺の写実的な馬頭観音など、
なかなか見応えある内容。午前中に行った園城寺(三井寺)の仏像も2躯(不動明王千手観音)展示されてる。尾地蔵堂・毘沙門天の修復前後の状態が掲示されていたが奈良博HPでも見ることができる。


閉館時間の少し前に退館するとあたりは薄暗くなってきており、なら燈花会を見に来てる人が沢山いてビックリ。

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せっかくなので、人の流れにのって東大寺方面へと向かってみる。


東大寺 
とうだいじ宗派: 華厳宗大本山拝観日:2016/8/13
所在地: 奈良県奈良市雑司町山号: なし拝観料:なし(特別拝観)

夜の東大寺拝観は初めて。ライトアップされている金剛力士は昼間より写真映えする・・・・

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大仏殿は無料で拝観可。窓(正確には観相窓)から盧舎那仏のご尊顔を拝する事もできる。

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それにしても凄い人の数・・・・・

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堂内に般若心経の読経の声が響き渡り、幻想的な雰囲気。昼間に見る大仏より神々しいというか神秘的でちょっと感動。



翌日は京都へ移動・・・・2日目 京都前編に続く。 


〔注〕 記載情報(宗派・山号・拝観料・文化財指定・仏像配置・名称など)は個人調べなので間違っていてもあしからず  

冬の京都・奈良旅(2日目): 泉涌寺界隈/三十三間堂/法金剛院/広隆寺

2日目は最初に三十三間堂に行くという事だけ決めてスタート。三十三間堂はHPで8時開門とあったので、8時ピッタリに現地到着......入口閉まってる.....冬季は9時からと書いてある.....よく見たらHPにもきちんと書いてある....ということでいきなりトホホ状態。時間はあるが何処も開いてそうにないので、とりあえず泉涌寺の方向へ歩き出す。泉涌寺界隈だったら色々拝観できるだろう、と....実際はそうでもなかったけど。


 雲龍院  (うんりゅういん真言宗泉涌寺派総本山御寺泉涌寺別院 別格本山) 2015/12/27

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泉涌寺参道の一番奥手にある塔頭寺院。この界隈は何度か来ているがここは初めて。本尊・薬師三尊穏やかな平安仏、動きは少ないが存在感がある。文化財指定なしでこのレベル、さすが京都。何と台所には大黒天、通称「走り大黒」で走ってるように足を踏み出すユニークな像。


 泉涌寺  (せんにゅうじ真言宗泉涌寺派総本山) 2015/12/27

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続いて少し下ったところの総本山へ。楊貴妃観音も美しいが、本堂の運慶作と伝わる三世仏(阿弥陀/釈迦/弥勒仏)を改めて確認したいと思っていた。前回訪寺した際は補修中で2躯しかなかったので、3躯揃っての拝観は久しぶり......が、遠目でよくわからなかった。よく見えない、という事自体を忘れていた。次回は単眼鏡持参で。


 善能寺  (ぜんのうじ真言宗泉涌寺派・泉涌寺塔頭) 2015/12/27

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泉涌寺本堂のあたりから更に下ると仏塔の最上層のようなお堂がポツンとある。ガラス越に中を見るも頭部が隠れててわからず、観音系のような雰囲気の本尊。


 来迎院  (らいごういん真言宗泉涌寺派・泉涌寺塔頭) 2015/12/27

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入口左手の庭園は拝観できるようだが直進して荒神堂へ。当たり前だが扉は閉まってて本尊・三宝荒神は拝観できず。ここの護法神像は京博に寄託中のようだ。テレビの何かの番組で見た記憶がある。なお庭園は大石内蔵助が建てたらしい。



 今熊野観音寺  (いまくまのかんのんじ真言宗泉涌寺派・泉涌寺塔頭) 2015/12/27

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本堂に上がってお詣りしたが
小振りなお前立ちが見えるのみ。本尊は秘仏の十一面観音。


 新善光寺  (しんぜんこうじ真言宗泉涌寺派・泉涌寺塔頭) 2015/12/27

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本尊は愛染明王らしいがこちらも非公開のようだ。


 
 戒光寺  (かいこうじ真言宗泉涌寺派総本山御寺泉涌寺塔頭・準別格本山) 2015/12/26
 
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一度拝観している丈六の釈迦如来(重文)。運慶・湛慶親子の作と伝わる。作風は違うと思うが、宋風のユニークな顔立ちなど、巧匠の作であることは間違いない。左手の不動明王は暗くて良く判別できなかった。


 法音院  (ほうおんいん真言宗泉涌寺派・泉涌寺塔頭) 2015/12/27

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本尊は不空羂索観音で、ガラス越しに見えるも遠目なので判別が困難。


 即成院  (そくじょういん真言宗泉涌寺派・泉涌寺塔頭) 2015/12/27
 
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特別拝観という事で、間近での拝観できる状況が続いているようだ、これは嬉しい限り。阿弥陀如来二十五菩薩(重文)、そして如意輪観音(重文)からなる「仏のオーケストラ」はいつ見ても壮観。特に二十五菩薩の中で平安期当初から残存する10躯は本当に素晴らしい(手前のほうしか見えないけど....)。

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泉涌寺は塔頭含めて10ヶ寺あり、全て立ち寄ってきたつもりだったが悲田院だけ失念。まぁ、行ったところ快慶作・宝冠阿弥陀如来は拝観できなかっただろうけど。ここから大通りに出て
バスで元の場所に戻る。


 妙法院蓮華王院  (みょうほういんれんげおういん、天台宗) 2015/12/27
 
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ここのところ京都に来るたびに訪れてて、これで3回連続。千体千手観音(重文)に関して確認できたことは別で書く予定(誰も興味はないと思うが....)。後堂(裏手)にもいくつか仏像が置いてあるのだが、不動明王立像の右手に硬貨が2枚ほど挟まれていた。賽銭感覚でやったのかもしれないが、やってはいけない事だなぁ.....ガラスケースに収蔵したほうが良いかと。

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本当は次に京博に行きたかったが土曜日から冬休みで年内は閉館。仕方なく一旦バスで京都駅に戻って近くのカフェで昼食。レンタルサイクルで回ることも考えたが、時々雲がでて雨が降りそうなのと風が冷たくてとにかく寒いんで断念。三十三間堂で端から端まで1時間弱ほど拝観していたので体が冷え切ってしまい、暫くは外に出たくない状態。小一時間ほどまったりしながら、次の仏スポットを検索.....まだ行ったことない寺院で仏像拝観可能なところ......見つけた!


 法金剛院  (ほうこんごういん、律宗) 2015/12/27

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京都駅から山陰本線で10分ほどで花園駅に到着、駅から2-3分というアクセスの良さ。看板の文字が凄い、完全に仏像押しのお寺でしょ、ここは。寺名は聞いたことはあったがどんなところかは知らなかった。律宗というのも珍しい。拝観料払ったらあとはどうぞ、という感じで◎。仏殿=宝物庫に入ると、どかんと丈六の阿弥陀如来(重文)。平等院、法界寺の阿弥陀仏と合わせて「定朝の三阿弥陀」と呼ばれるそうだ。堂内には瓔珞を付けたゴージャスな雰囲気の十一面観音(重文)や、老僧のごとき僧形文殊(重文)、古様の地蔵菩薩(重文)、等身大立像阿弥陀如来と見応え十分。更に、隣にある地蔵院の丈六・地蔵菩薩(重文)もガラス越しに拝観可能、金目地蔵と呼ばれており左右に六地蔵を従え正に地蔵だらけで壮観。

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法金剛院で大満足、そのまま調子に乗って次へ向かうも途中で雨がパラパラ、早歩きで先を急ぐ。


 広隆寺  (こうりゅうじ、真言宗系単立) 2015/12/27

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南大門の金剛力士は鎌倉仏で素晴らしい出来映え、講堂は扉が少ししか開いておらず中の国宝仏は暗がりで見ることができず。宝物殿のラインナップは以前と変わらず。入ってすぐの十二神将(国宝)、最古と言われる不動明王(重文)、中央両脇にそびえる千手観音(国宝)不空羂索観音(国宝)、ピースサインの蔵王権現(重文)など逸仏が沢山。四隅の四天王(重文)のうち最後にある持国天は出色、動きは少ないがスタイルなど東寺・増長天を彷彿とさせ完璧。実は一番の主役である弥勒菩薩(国宝)他に気を取られてあまりきちんと見ていない.....

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続いて徒歩で仁和寺に向かおうと思って歩き出すも雨がポツポツ降りだしたので断念、まだ15時過ぎくらいだったが今回はこれで終了することにした。2日間歩きが多かったので少々疲れ気味だったという事もある。この日は何と言っても法金剛院に行けたのが大収穫。

三十三間堂・千体千手観音: 配置図更新(※要確認)

昨日、16時少し前に東博に到着して、本館に入る前に初めて資料館へ行ってみた。閉架図書(書庫から出してもらう書籍)受付が16時までということで、どうしても閲覧したい本があり急いで貸出を依頼。

蓮華王院本堂千躰千手観音像修理報告書
』(1957年刊行) 本文/図録の2冊

三十三間堂の千体千手観音の修理の際に判明した創建当初仏や仏師銘が明確になった像が記載されており、図録には一部の画像も掲載されている。三十三間堂の千体千手観音の配置を確認している者にしてみれば必見の書なのである。とはいえ、当然撮影は禁止なので、時間の許す限り鉛筆でノートに写していく.....恐らく誤記もあるだろうけど、整理してみると以下のように分類ができる(一部の仏師で作数が合わなかったので、間違ってる可能性大)。退場の時わかったのだがコピーサービスがあった....番号を写し取るのに時間を取ってしまい、肝心の図録のほうはほぼ見れず。いずれまた来たいと思う。普通の図書館より10倍くらい楽しめることがわかった!

創建仏
長寛(124)22353943516277869597
101118133139144147157160174194
205213215219231271280300301314
321351359367373383385391418434
440449450456466485513522546547
552555557562569570573578581591
594599601602608609611614632647
652653655659661670676686688691
692703706711718722723731746747
751762764765767773788792793796
800833857863868874875882887890
898907918919942951954962964971
978983996999
1
慶派
湛慶 (9)10203040520530540550560
康円 (6)5060660680742949
行快 (1)490
1
以下、慶派様式(※明俊は院派寄りの作風のようだ)
春慶 (5)166189200422852
明俊 (6)531757758854937938
覚誉 (2)83976
1
円派
隆円 (37)92104108124265266330348349414
457468492500504519527579598618
620682685708735740743749784810
845869873926967982986
昌円 (12)18209236309390543574617625636
756997
栄円 (13)3403423434257208288439476366
472494606
勢円 (20)315790127130137154168243267
268290358423499699745813841856
1
以下、円派様式(※院久・朝順は院派様式にも銘がでてくる)
院久 (2)497695
朝順 (1)122
不明 (5)103151184627712
1
院派
院継 (14)99113167400419548565567645663
752809902927
院審 (1)545
院遍 (7)8487465533637849946
院承 (21)52707693197258286296338493
515529597600791806847865901904
911
院恵 (21)112170187188201245307308350387
467469610644737750844897917921
941
院瑜 (1)375
院豪 (10)89232260428516633667763803915
院賀 (17)79100110140186229427480489615
6657057057327859941000
院有 (6)1052637758929751001
院海 (5)2485107460571
院祚 (5)46208354827965
院玄 (7)596775123128807969
院快 (3)27369429
院好 (1)435
院算 (2)259870
院春 (1)539
院信 (1)345
院静 (3)25977995
伊賀房 (3)380596674
雲順 (1)730
円応 (1)240
覚順 (1)646
覚承 (1)159
観明 (1)928
慶運 (1)61
定承 (4)397426536894
不明 (3)17310319
1
以下、院派様式
栄顧 (2)53837
快順 (1)48
計信 (1)8
実槍 (1)374
性実 (1)452
朝順 (1)797
不明 (9)2347103109151388393627712
1
その他
室町 (1)32
玉眼入(5)7880120169459
1
以下は制作年代より誤記と考えられる
運慶 (1)510

時間がなく確認できなかったことがいくつか。
・院有という仏師が1001号尊を手掛けているがどこに配置されてるか不明(本尊後ろ?)
・仏師銘に
□作と□□分というのがあり、違いがわからず。取りあえず□□分に別の仏師銘がある時はそちらを作者としてある。

上記より配置図を更新。だいぶゴチャゴチャになってしまったが....
 33gendo

また時間ができたら確認に出向き更新することとする。今日のところはこれまで。


 ※2017年3月20日 追記 
上記の図において860号尊870号尊の位置が逆になっているので注意。

本記事を書く以前に訪問した時、現地で位置を確認したが、左端から数えて位置を特定しているため、間違いなく860号尊の位置に870号尊があったと思われる。ただし、その周辺の10躯が修復に出されていたこともあり、その兼ね合いで立ち位置が動かされていた可能性がある。2017年2月に訪問した際には870号尊は本来の位置にあったので、現段階で上図は誤っていて860号尊⇔870号尊として見てもらいたい。図を修正したいところだが、昨年末にPCのハードディスクがクラッシュして本データが失われてしまったため、残念ながらやりたくてもできない状態である。
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