探仏記Ⅲ ~気まぐれ仏像探訪~

気が向いたら出かけてみようか・・・

仏旅(2日目): 京都前編 宝積寺~正法寺~勝持寺~願徳寺

朝7時に出発、奈良から京都へ、目指すは秀吉vs光秀の戦いでもお馴染み山崎・天王山。ウィスキー山崎もこの辺りで作られてるようだ。駅からはずっと斜度のある上りが続く。坂の半ばほどに大念寺へと続く階段が見える。重文の三尺阿弥陀を拝観したかったが、お盆で人が出払ってるということで残念ながらNG。
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宝積寺 (宝寺) 
ほうしゃくじ(たからでら)宗派: 真言宗智山派拝観日:2016/8/14
所在地: 京都府乙訓郡大山崎町山号: 天王山、銭原山(旧・補陀洛山)拝観料:400円

山のてっぺん(?)の宝積寺には、かつて秀吉の本陣が置かれたらしい。秀吉はここから討って出たのね・・・・(と、情けないことに帰宅してから知る)
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墓地脇にある重文の三重塔を横目に奥へと進み、拝観料を払ってまずは閻魔堂。
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堂内は異様な緊張感、それもそのはず閻魔大王とその眷属の方々が鋭い視線でこちらを睨んでいる。閻魔王と言えば、百毫寺像や東大寺像が頭に浮かぶが、こちらの方も負けず劣らず写実的。

<クリックで拡大> ※画像は拝観チケットより
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続いて本堂。

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堂内では間近に十一面観音を拝観できる。本尊より気になったのは左隣の写実的な毘沙門天(多聞天?)、どういった出自でここにあるのかが気になるところ。

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※画像はパンフレットより
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山崎駅から向日町駅に移動、更にバスに揺られること20数分、バスターミナルのようなところから更に15分ほど歩くと勝持寺に到着する・・・・のだがあまりの酷暑に途中にあった正法寺に休憩がてら立ち寄る。


正法寺 
しょうぼうじ宗派: 真言宗東寺派拝観日:2016/8/14
所在地: 京都府京都市西京区山号: 法寿山拝観料:300円

まったく予備知識がなかったが重文の仏像あり。枯山水の庭はかなり凝った造り。

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本堂。

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本尊は珍しい三面千手観音、顔の両脇の耳のあたりにそれぞれ顔がある。右手前の聖観音も小ぶりながら良いお像。

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不動堂には新しめの不動明王。右脇の檀には炎髪・六臂・半跏の尊像がいらしたが尊名はわからず。次こそは勝持寺へ。


勝持寺 
しょうじじ宗派: 天台宗拝観日:2016/8/14
所在地: 京都府京都市西京区山号: 小塩山拝観料:400円

階段を上ったところでようやく仁王門現る。

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しかし、この後も上り坂・・・・苦行の果てに勝持寺の本堂エリアに到着。

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まずは本堂隣の瑠璃光殿(収蔵庫)を拝観。

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多くの仏像が並ぶ様は圧巻。本尊・薬師如来が右手を下に向けてつまむような仕草をしているのは珍しい。十二神将はややズングリ体型、両脇の金剛力士は慶派仏師である湛康慶秀の作で力動感に溢れる。湛康は初代・運慶から湛慶・康円に次いで運慶流第四代仏師。

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続いて本堂(パンフでは阿弥陀堂となってた)。

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こちらは堂外からの拝観だったが、暗がりであまりよくわからず。中尊は薬壺を持っていたように見えたので薬師如来と思っていたが、阿弥陀堂なのでもしかしたら阿弥陀如来だったのかもしれない。確かな事はわからず。

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前半戦の最後は勝持寺から徒歩1~2分、お隣の願徳寺。

宝菩提院 願徳寺 
ほうぼだいいん がんとくじ宗派: 天台宗拝観日:2016/8/14
所在地: 京都府京都市西京区山号: 仏華林山拝観料:500円

門外のブザーを鳴らして来訪を告げると、人数を聞かれ、潜り戸を入るように指示がある。

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ここまではほぼ独りで占有拝観していたのだが、さすがに国宝を擁するお寺だけあって前後にも来訪者がおり、独占というわけにはいかなかった。国宝の菩薩半跏像(お寺では如意輪観音)は容姿端麗、改めて一級仏の凄さを体感。

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ここで問題が発生。当初予定してなかった正法寺に立ち寄ったため時間が押し気味。戻りのバス時刻を考慮すると、すぐにバス停に向かうか、1本見送って1時間後に乗るか・・・・決断を迫られる。葛藤した結果、バス停を目指す事に。一番楽しみにしていた場所だったが滞在はわずかに5分ほど。


仏旅も大詰め、バス~電車を乗り継いで上七軒を目指す。最後の京都後編へ続く。

〔注〕 記載情報(宗派・山号・拝観料・文化財指定・仏像配置・名称など)は個人調べなので間違っていてもあしからず  

仏旅(1日目): 奈良編 奈良博~東大寺

滋賀編からの続き。滋賀の二寺で予想以上に時間がかかり、奈良到着は16時過ぎ。興福寺境内を通りつつ急いで奈良博へ・・・・

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奈良国立博物館 生誕800年記念特別展 忍性-救済に捧げた生涯-
ならこくりつはくぶつかん入館日:2016/8/13
所在地: 奈良県奈良市登大路町入館料:(年間パスポート)

まずは「忍性展」から・・・・

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忍性は真言律宗の僧・・・・・という事以外ほとんど知識がない状態でこの展覧会に臨む。

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以下、受け売りだが・・・・忍性は後年の呼称で生前は良寛 (江戸期の良寛和尚とは違う人物)
。ハンセン病患者の救済に尽力し、戒律を重んじ、文殊信仰に篤い。行基が文殊菩薩の化身とも呼ばれてた事から尊崇・・・・という方なので展示は真言律宗ゆかりの釈迦如来や文殊菩薩などが多く展示されてた。鎌倉・極楽寺の開祖であり、先日行った称名寺も忍性が創建に関わったらしい・・・・・とわかり始めると興味が湧いてくる。

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仏像展示はそれほど多くないが、鎌倉ではめったに拝観できない鎌倉の仏像を堪能できる。特に極楽寺からは有名仏が総動員してて見応え十分。清凉寺式釈迦如来は極楽寺像を含めて3躯展示されており、同じ仕様ながらそれぞれ個性的。文殊菩薩騎獅像も複数展示されており、特に自治会所蔵像と最後の唐招提寺・文殊五尊は初見でなかなか良い感じだった。
個人的に拝観したかった極楽寺の文殊菩薩は端正、十大弟子実的。ただ、般若寺の文殊菩薩は展示期間が終了しており、間近で見れなかったのが残念。

実はこの展覧会で一番印象に残ったのは仏像群ではなく東征伝絵巻。鑑真和上が請われて日本に向かう苦難の行状を記した壮大な絵巻物。前後期で展示替えがあるので今回展示されなかった部分も見てみたくなった。


奈良国立博物館 なら仏像館 名品展

18時近い時刻だが「なら燈花会」開催期間は19時まで開館しているのでまだ大丈夫。

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仏像館はリニューアル後、初めての来館。以前との違い・・・・順路が時計回りから反時計回りに変更、それに伴い中央の仏像群も逆向きに。展示ケースも進路に合わせて向きが変わっている。全体的に落ち着いた印象、以前より見やすくなった気はする。展示されてる仏像に関しては、さほど大きな変更を感じなかった。

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お目当ては湛慶・作の三十三間堂・千手観音20号尊。以前にもサラッと拝観しているが、今回は単眼鏡持参で気合十分、しばし釘づけ状態。三十三間堂や東博と異なり、目の前でガラスケース無しで360度見れるのがイイ。東博で見慣れている40号尊と比べて顔が少しほっそりしてるような・・・・40号尊は四角くて大きめの顔なので。背面の衣の形もよくわかる。

慶派仏としては仏師銘が判明しているもので 快慶×2、行快×1、栄快×1 と充実。その他、室生寺で発見された二天像、修復された高尾地蔵堂・毘沙門天などの新入り仏や、浄瑠璃寺の写実的な馬頭観音など、
なかなか見応えある内容。午前中に行った園城寺(三井寺)の仏像も2躯(不動明王千手観音)展示されてる。尾地蔵堂・毘沙門天の修復前後の状態が掲示されていたが奈良博HPでも見ることができる。


閉館時間の少し前に退館するとあたりは薄暗くなってきており、なら燈花会を見に来てる人が沢山いてビックリ。

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せっかくなので、人の流れにのって東大寺方面へと向かってみる。


東大寺 
とうだいじ宗派: 華厳宗大本山拝観日:2016/8/13
所在地: 奈良県奈良市雑司町山号: なし拝観料:なし(特別拝観)

夜の東大寺拝観は初めて。ライトアップされている金剛力士は昼間より写真映えする・・・・

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大仏殿は無料で拝観可。窓(正確には観相窓)から盧舎那仏のご尊顔を拝する事もできる。

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それにしても凄い人の数・・・・・

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堂内に般若心経の読経の声が響き渡り、幻想的な雰囲気。昼間に見る大仏より神々しいというか神秘的でちょっと感動。



翌日は京都へ移動・・・・2日目 京都前編に続く。 


〔注〕 記載情報(宗派・山号・拝観料・文化財指定・仏像配置・名称など)は個人調べなので間違っていてもあしからず  

仏旅(1日目): 滋賀編 石山寺~三井寺

夏休み恒例の奈良・京都の旅。

前日に石山寺で三十三年に一度の本尊開帳があるのを知り、これは行かねばと滋賀へ向かうことに。京都駅から石山寺駅まではJR~京阪を乗り継いで30分弱、ローカルな雰囲気の京阪石山坂本線で石山寺駅に到着。駅前は多宝塔のオブジェがポツンとあるだけ。

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石山寺
いしやまでら宗派: 東寺真言宗大本山拝観日:2016/8/13
所在地: 滋賀県大津市石山寺山号: 石光山拝観料:1,200円(特別料金)

駅から炎天下の中10分程度歩いてようやく到着。

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33年に一度の本尊御開帳・・・・すごい賑わい・・・・と思いきや人はまばら。

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■本堂
 
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さっそく本堂へ。内々陣に入り本尊とご対面。(画像はHPより)

平安の丈六仏。間近で拝観なので迫力あり。指先がしなやかで繊細、宝冠がゴージャス。六臂形ではなく二臂の如意輪観音平安仏らしい穏やかな顔立ち。想像以上に素晴らしい。本尊裏手には胎内仏の展示もあり。本尊や脇侍は元々は塑像だったようで、堂内右手の金剛蔵王心木は創建像の名残と見られる。

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他にも様々仏像があったが、右手にある
薬師如来は「初公開」とある。斜めから逆光で見づらいが端正な顔立ち・・・っぽい。正面から拝観できず残念。左右には二十八部衆が並ぶが総勢32躯・・・・暗くて遠目なので
+4躯が何なのかはわからず。
■多宝塔
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続いて国宝・多宝塔。塔内には快慶・作の大日如来が鎮座、中を覗くも暗くてよく見えず。単眼鏡で見ても白毫と眼が白く浮き上がるのみ。まぁ、現地拝観できたのでいいか・・・・最も美しい多宝塔を見れて満足。

<大日如来の解説
> 

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豊浄殿 「石山寺と紫式部」展
 
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仏像展示は六臂形の如意輪観音大日如来、旧御前立の如意輪観音半跏像の
3躯のみ。紫式部や源氏物語の事を知っていれば楽しめる展示なのかも・・・・取りあえず先もあるので早々に退館。

石山寺を辞した後、
圓福院(快慶・作とされる釈迦如来坐像がある)に寄りたかったが、お寺さんのご都合でNG。再び京阪石山坂本線で今度は三井寺へ
 

園城寺(三井寺)
おんじょうじ(みいでら)宗派: 天台寺門宗総本山拝観日:2016/8/13
所在地: 滋賀県大津市園城寺町山号: 長等山拝観料:600円 (収蔵庫300円)

こちらも駅から徒歩約10分で到着。総門とあるが、裏門的なところから入ってしまった。

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水観寺 → 観音堂 → 微妙寺 → 文化財収蔵庫
 
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最初の水観寺では小ぶりな薬師如来・十二神将などが祀ってあった。続いて延々と階段を上り観音堂へ。本尊は秘仏・如意輪観音
で当然拝観できず(以前に「三井寺展」で拝観)。眺望良さげだが、炎天下で息切れして見る気も起らずスルー。

追記: 三井寺展の図録を参照すると、どうやら観音堂の本尊厨子脇には愛染明王が安置されているようだ。中には入らなかったので未確認だが惜しいことをした。 
 
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道を間違えながら微妙寺に到着。「十一面観音」という立札にひかれて中に入るも肝心の十一面観音は向かいの収蔵庫にあるという微妙さ。西陣織で作られた十一面観音と黄不動の掛け軸が、一瞬本物かレプリカの像がそこにあるのかと錯覚するくらいよい出来栄え。真向いにある収蔵庫は別料金・・・・主に狩野派の襖絵などがあり、仏像は重文指定の4躯のみ。前述の
十一面観音はズングリ体型、卵型の頭部が特徴的な智証大師像、直立の吉祥天、子供を抱く訶梨帝母。画像はこちらのHPから閲覧可能→文化財収蔵庫

灌頂堂/三重塔 → 一切経蔵 → 金堂

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暑くて最早どのお堂も通り過ぎるだけ・・・・重文の三重塔は良さげだったがこちらもスルー。そしてやっと金堂に到着。
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桧皮葺の屋根が美しい国宝の金堂。本尊は秘仏・弥勒菩薩でこれまた当然非公開。中は本尊を取り囲むように仏像が沢山。

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気になったのは・・・・
毘沙門天: 「三井寺
」で拝観した慶派の作、運慶仏の雰囲気があり良仏
尊星王: 四臂で月輪上に片足立ちしている変わったお姿。彫像としては唯一
大日如来裏手中央に座す平安仏、どこかで拝観したような既視感
善女竜王: 円空仏が7躯、真ん中に大きめの像があり、残りは端材で作ったようだ

釈迦堂/仁王門

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最後に仁王門をくぐっておしまい。本来はこちらから入るんだろうけどね・・・・・


この後は奈良へ移動・・・・・奈良編に続く。

〔注〕 記載情報(宗派・山号・拝観料・文化財指定・仏像配置・名称など)は個人調べなので間違っていてもあしからず  
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