探仏記Ⅲ ~気まぐれ仏像探訪~

気が向いたら出かけてみようか・・・

『茶の湯』展と『新指定 国宝・重要文化財』@東京国立博物館

GWの谷間で多少すいているかなと出かけてみたがそうでもなく、それなりに混んでいた。天気もよかったし.....

東京国立博物館
本館に行こうか迷ったが、荷物だけロッカーに入れて中から平成館へ向かう。
(なので、平成館の写真がない....)

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特別展「茶の湯」
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茶の湯の事は何もわからずとりあえず来てみた。入ると物凄い人の数にビックリ。そして今回の目玉でもある油滴天目や曜変天目は360°見れるショウケースの周囲を二重・三重に人が囲んでおり、近づくのも憚られる。これが仏像だったら遠目でもまだ胴から上の部分が見えたりとかするかもしれないが、茶碗はそうはいかない。背伸びして辛うじて「物」がそこにある事がわかるレベル。これはゆっくり鑑賞していたら日が暮れる....という事でシフトチェンジして流し見モードに。
結局ひとつずつ解説を読んでいく集中力も欠き、15分ほどで出てしまった。少々もったいない感じもするが、5月4日期限の年パスで入ったので、まぁ期限前までに使用できて無駄にはならず良かったかなと。

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場外で10分ほどの紹介ビデオのコーナーがあり、これを見てきた。とりあえず素人はこれで十分かも。また、人が少ない頃合いを見計らって来てみようと思う。(そんな時期があるのかどうか....)でも10日ほど前の奈良博・快慶展の時とは時期も時間帯も異なれど、ざっと10~20倍の人がいた事は間違いない。

先月買った「目の眼」で茶器特集をやっているのでもう少し勉強して来ようっと。
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再び本館へ戻ってこちらへ。
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11室奥の十二神将の前に群がる12人のひと(自分含む)

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先月来た際には右方天のみの展示だったが、今回は左方天も。ただ並んで配置されてないのが少々不満。
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右方天(画像では左側)は多聞天、左方天は持国天だと思われるが、二像は若干作風が違うようにも思えた。特にお顔。右方天が妙にノホホンとした感じに見えてしまい、左方天のキッとした顔付きと対照的に感じる。(改めて画像でみたらそれほどノホホンともしてなかったけど)
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平成29年 新指定 国宝・重要文化財
仏像は8室の入口付近に8軀、11室の半分のスペースに11軀と、分かれて展示されている。

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正直なところ、あまりパッとしなかったという印象。金剛寺の巨仏三尊は来館しないのは仕方ないとして、法華寺の維摩居士像や恵明寺の不動明王像などがあればもう少し見所があったかもしれない。特に恵明寺は足立区とかなり近郊にあり、今後拝観のチャンスもあまりないと思われるので、こういった機会にお会いできなかったのは残念。

展示仏の中では、京都 廬山寺の
来迎形阿弥陀三尊が秀逸。鎌倉時代の作のようだが、雰囲気としては即成院の阿弥陀二十五菩薩を彷彿とさせ、中尊は量感がある。脇侍は大和坐りで、向かって左側の勢至菩薩は合掌スタイルではなく「往生者に差し掛ける天蓋を執っていた」との事、あまりよく理解できず。金剛寺 大日如来光背の化仏が2軀、そのうちの1軀は快慶風、恐らく脇侍の不動・降三世明王を作った行快の手によるものとの解説があり、確かに顔付きを見るとそれっぽい。旧小松寺本尊の千手観音も素晴らしかったが、顔の色だけ全体と違っていて少々後補っぽく見えてしまった。平泉中尊寺・基衡壇の像に近い作風との事。三佛寺の蔵王権現はあまり記憶にないのだが、三井記念美術館の「蔵王権現と修験の秘宝」展で拝観してるはず。

3室入口には愛知 本證寺の聖徳太子(孝養像)、その左手には大日如来などの出土仏(金銅仏)がいくつか。


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最後に久々に資料室へ寄ってみた。
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何時間でもいれる。2時間弱、主に過去の展覧会図録、三十三間堂の千体千手観音が掲載されてる書籍、「鎌倉時代」「運慶・快慶」に関連する書籍を中心にとっかえひっかえ見ていった。中に多くの快慶仏が掲載されているものがあり、これは絶対買いだ!と思い、自宅に帰ってから検索しようとするも書籍名を書いたメモが見つからず.....(たぶんこれだろう、と当たりはついてるけど)

快慶展の図録は超充実しているのだが、今回未出展の光台院像・遍照光院像・大行寺像が掲載されていないのが唯一残念なポイント。上記の書籍はそれらも掲載されているので、これで補完すれば全快慶仏を網羅できる。(訂正:これらの像も掲載されていた)

春の奈良旅(3) 東大寺~なら仏像館~京都・東寺

(記載日:2017/4/29)

朝6:30より読売テレビ「祈りの仏師 快慶」を視聴。醍醐寺三宝院や光台院なんかも紹介された。ローカル番組なので、たまたま奈良にいたから見れたけど....全国区でやってくれればいいのに。映ったところは、浄土寺→醍醐寺→円成寺→東大寺(+金剛峯寺 広目天)→吉水快聞さん→興福寺北円堂→光台院→東大寺(再)という感じで、所々慶派の紹介として運慶仏もでてきた。
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2日目も快慶展に行くつもりでいたが、昨日の「疲れ」が残っているので取りあえずは博物館以外の場所へ。

東大寺
山号
宗派華厳宗大本山

【南大門】

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快慶展第2会場(?)でもある南大門。もう今更言う事なし。


【鐘楼・念仏堂・行基堂・俊乗堂】
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二月堂に向かう途中.....

【三昧堂・法華堂・二月堂】

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四月→三月→二月と移動していく。三昧堂も法華堂も誰も来ていなくて単独拝観。じっくり各尊と対峙できた。

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少し冷たい空気が心地よい。二月堂の階段を下りると小さな小窓から毘沙門天が見える。なかなか凛々しいお姿である事に気付く。大仏殿の裏参道をトボトボ歩いて、奈良博へと向かう。


奈良国立博物館

【なら仏像館】
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結局、快慶展をもう一度見るだけの気力・体力が残っておらず断念することに。仏像館だけサラッと見て回ることにした。

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行快・作の降三世明王は、快慶・作の醍醐寺・不動明王と顔つきが似てる、はずだがあまり思い出せない。大好きな湛慶・作の三十三間堂・千手観音も今日はあまりピンと来ない。3室には三尺阿弥陀があり、通常であればかなり食い入るように見るところ、今日はサラッと。

中盤あたりで仏手(盗難にあった新薬師寺・香薬師の手)があり、これのみが見つかったという事実に悲しくなる。香薬師像は法隆寺の夢違観音と作風が共通しているという。確かに目のあたりは似通っている。興味深かったのは新薬師寺像の3軀。7室の十一面観音、9室の地蔵菩薩、その左隣の准胝観音も新薬師寺伝来という事で、作風というか色合いや光背の雰囲気が似通っており、室生寺の金堂仏群のエッセンスも感じる。

少々放心状態、心ここにあらずな感じだったので、今日のところは引き揚げる事に。



教王護国寺(東寺)
山号八幡山
宗派真言宗総本山
新幹線の切符を時刻を12時間間違えて早朝便を取ってしまい、既に列車が出発後になっていた事が判明。自由席であれば振替可能という事で、とりあえず3年ぶりの東寺に立ち寄ることにした。ちょうど特別期間で、宝物館や観智院が拝観できる。
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【宝物館】東寺と後七日御修法
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ここに入るのは初めて。

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かなり古い建物で、展示品も多くはないが、2階に入ってびっくり。旧食堂の本尊・千手観音は5mを超える巨仏で圧倒される。右端の国宝・兜跋毘沙門天も精細な彫りで素晴らしい。



【観智院】
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こちらは以前にも拝観した事があるが、だいぶ前の事で覚えていない。

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五大虚空蔵菩薩は個性的、中尊の法界虚空蔵の顔立ちが知り合いと似ていて親近感が持てる。愛染明王は記憶よりはるかに大きくて少し驚いた。


【五重塔】
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次の週であれば五重塔内部も拝観できたようだ。今回はタイミングが合わず残念。

【金堂】
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薬師三尊(台座の十二神将)のみという贅沢で広い空間、心が落ち着く。


【講堂】
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金堂と対照的に仏密度が高く、心拍数も上がりがちな講堂。最後に平安の仏群を拝観して、今回の旅はこれにて終了。


5月に奈良再訪する時はもっと体力をつけて、心をリラックスさせて来ようと思う。

春の奈良旅(2) 『快慶』展@奈良国立博物館

(記載日:2017/4/29)

ついにこの日がやってきた。勇んで来たものの、この前に既に二ヶ寺で多くの仏像を拝観してきたので、小休止がてら館内の喫茶店で一服。

奈良国立博物館
特別展 快慶 ~日本人を魅了した仏のかたち~
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16時前に満を持して入館、この日は夜間拝観日で19時の閉館間際まで約3時間鑑賞。今思えば、少々(いや、だいぶ)気負いすぎていたのだと思う。入ってすぐに右も左も前も後ろも快慶仏で、しかも所々初見仏もあり、展示されてる物は仏像から像内品などすべて解説を読んで情報を漏らすまい、とあれこれ考え過ぎていたかもしれない。結論から言うと、個々の像に対してあまり良く思い出せないのだ。

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この時点でまだ展示されていない3軀(醍醐寺・弥勒、西方院・阿弥陀、藤田美術館・地蔵や菩薩面を除くと、快慶仏が33軀、それ以外で26軀の計59軀。見応えがあった....いや、あり過ぎて記憶が曖昧....今、かろうじて思い出せる事。

●如意寺・地蔵菩薩:想像より大ぶりな像だった、小仏かと勘違いしていた
●松尾寺・阿弥陀如来:肩の部分に削れた部分があってネズミにでも齧られたのかなと...
 (訂正:これは如意寺・地蔵菩薩の事....この時はやはり記憶が結構飛んでいた模様)
●悲田院・阿弥陀如来:お寺で見た時のインパクトがまったく無くビックリ、光背が無いからかも
●金剛院・深沙大将:金剛峯寺像より小柄ながら、大きな動きが感じられて特筆すべき素晴らしさ
●新大仏寺・如来:元々は立像だったらしく大きさを想像するととてつもない。なんで金箔貼っちゃったのか....
●知恩寺・阿弥陀如来:隣の遣迎院像と見比べて、やはり近似していると感じた....快慶仏である事を確信
●キンベル美:釈迦如来:光背も含め全体が美しく、ほぼ完璧な形で残っている事が奇跡としか言いようがない

三尺阿弥陀は色々思いがあり過ぎ、また各々をきちんと見れてない....できれば全尊横並びにしてほしかったけど。不動明王3軀も同様。こんな感じで取り留めもない印象しか残っていないのが正直なところ。

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あえて言えば今回は特にこの像が一番印象に残っている。(画像はパンフより)

深沙大将といえば金剛峯寺像が好きなのだが、同じ尊像でもこちらは小ぶりながら写実性、動き、表現力が本当に優れていて今にも動き出しそうな迫真の像であった。これまで画像で見る限りでは正直なところ、色も剥落していてどことなく精細を欠くような印象だったが、百聞は一見にしかず、このリアルさが快慶の真骨頂なのではないか。

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閉館間際までいたためショップでグッズを物色している時間がなく、購入できたのはこの2点のみ。ただ大きな買い物、この図録は快慶に関するほぼ全ての事が載っている貴重本だ。まだ完全に見れているわけではないが、光台院、遍照光院、大行寺像以外は、展示されていない仏像も含めてほぼ全網羅されているようだ。これはかなり強力な内容で、これ以上の書籍はそうそう出てこないと思われる。(訂正:これの仏像も掲載されていた)

外に出るとすっかり暗くなっていた。暗闇に快慶の仏像が浮かぶ。
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続いて、20時まで開館している仏像館の方にも行ってみたが、まったく集中力がなく隣接する青銅器館へのみ立ち寄り、この日は拝観終了とした。
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快慶展は消化不良であった。内容は素晴らしい、それに頑張って食らいついていこうと気負いすぎて完全に雰囲気に飲まれて出てきた感じになってしまった。1ヶ月後を目標に再度来館する予定なので、今度は気負わず、自分のお気に入りをひたすら堪能しようと思っている。

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